スペイン総選挙の危うさ?
2月13日にスペインの予算案の採決において、カタルーニャ独立派よりの政党は予算案を支持しないことで議会が否決。4月28日の解散総選挙実施が決定した。
スペインの地元紙バンガルディアに掲載された世論調査によると、スペインの次期総選挙で左派連合の合計は151議席。サンチェス首相率いるPSOEが119議席とそれなりに議席数を伸ばすも、急進左派政党ポデモスの支持が落ちているため、過半数176議席に達しない見通し。
様々な組み合わせを駆使して、与野党に関わらず何とか過半数を取ることができた場合にも、圧倒的な政権にはならず、政策は決まり難い状況が続くことは間違いない。政権としては弱いままであることを見ておく必要がある。ドイツやフランスの政治が弱まる中での景気低迷が懸念材料であることや、イタリアの財政再建が難しいこと、そうなるとポピュリズムが抑えきれなくなって、欧州全体のリスクになりかねない中、スペインおまえもか、の様相を呈す可能性は拭いきれない。
とはいえ、どう転んでも、反EU、反ユーロという話にはなり難いことにより、スペインの危うい総選挙もそれ程、金融市場を巻き込む混乱にはならないという一定の安心感につながっている。それにより、当面はスペインのリスクは楽観的に捉えてよいと言えそうである。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?