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テンセント、音楽配信事業は万全だが、バイトダンスとの多次元抗争に突入、前途は予断を許さず。

日本の定額音楽配信サービスは、Amazon(Prime MusicとMusic Unlimited),Apple Music,
Spotify,、LINE MUSIC、Google Play Music、などの争いとなっている。例によって中国は独自の発展を遂げ、その中心となっているのはテンセント・ミュージック(騰訊音楽)だ。

同社は2018年12月中旬、ニューヨーク(ナスダック)市場への上場を果たした。直後の株式時価総額は200億ドルを上回り、これは、富士フィルムや、セコムあたりの大企業に相当する。非常に高い評価を得た。その半年後、2019年5月の音楽アプリランキングを見ると

1 酷狗音楽…ダウンロード総数26億、アクティブユーザー数2億1804万、前月比6.48%増(以下同じ)
2 QQ音楽…22億、1億787万、前月比2.71%増
3 網易雲音楽…2億、5658万、前月比2.9%増
4 酷我音楽…11億、5456万、前月比6.63%増

となっている。このうち1位、2位、4位はテンセント・ミュージックの運営するアプリだ。3位の網易雲音楽はネットイース系である。つまり音楽配信業界では圧倒的存在だ。これは2016年以降、中国音楽集団その他を買収、合併してきた結果である。

しかし、最近の第二四半期決算では、音楽配信事業収入は、2019年第一四半期をピークに減少している。構成比は26%に下降した。音楽事業のシェアは高い評価の源泉だが、もう大きな伸びは見込めない。

今後はSNS・エンターテインメント事業にかかっている。テンセントは動画視聴でも業界をリードしている。直系の「騰訊視頻」の他に、「B站」、「快手」、「斗魚」、などの動画視聴アプリに出資して、グループを形成している。それはよいのだが、現在若者の関心は、短視頻と呼ばれる、ショート動画の投稿シェアリング型アプリだ。小紅書、TikTok、快手、知乎、B站などを指し、これらの視聴時間が急伸している。

音楽、動画視聴、投稿口コミサイト、ネット通販というこれまでの業態別シェアは、意味をなさなくなってきた。どれも複合アプリだからだ。そして現在、テンセント最大のライバルは、TikTokを運営するバイトダンスである。テンセントの十八番、ミニプログラムをTikTokに導入するなど、大型プラットフォーム化を目指し、対立は先鋭化する一方だ。

テンセント本体、騰訊音楽、騰訊視頻、グループ会社のトータルで対バイトダンス戦がどうなっているか見極める必要がある。国内ではテンセントが圧倒しているが、TikTokは世界的ヒットになった。当面の間、目の離せない戦いが続きそうだ。

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中島嘉一(プラスチャイナ CEO / 36Kr Jap...

プラスチャイナ株式会社CEO / 中国スタートアップ専門メディア 36Kr Japan 顧問 / 23歳から10年中国滞在 / 上海で起業 / 日経COMEMO KOL / NewsPicks注目ピッカー

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