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デジタルトランスフォーメーション(DX)に必要なのは意思決定のシンプルさと顧客志向

最近流行りのデジタルトランスフォーメーション、デジタルシフトといったキーワードについて書いていきます。

デジタルトランスフォーメーションについて感じていること。

デジタルマーケティングの世界に関わっていて、データの力、デジタルの力を経営に活かすという話は出ますが、現場では、目の前に出てくるデータと睨めっこしながら、小さな変革で落ち着いてしまっているケースが多い。

今回は、デジタルトランスフォーメーションを成し遂げるというテーマについて、組織視点で成功ポイントを考えていきたいと思います。

成功ポイントは意思決定構造

経営にデジタルの力を活かすことができている組織は「意思決定がシンプル」です。

自分が感じているDXに成功する組織構造の特徴を整理してみます。

(例)
・社長がトップダウンでデジタルシフトを推進できる
・意思決定権をもつCMOまたはCTOが中心となり推進
・CMO兼CTOの立場の人がいて、その人がゴリゴリ進める

大きな構想を描いて、変革を主導する経営層の存在は欠かせません。

まとめると、下記3つの特徴です。

①デジタル・エンジニアリングを理解したトップが主導
②意思決定権をもつCMOまたはCTOが主導
③CMOとCTOを兼任する経営層が主導

この3パターンどれかの組織・プロジェクト体制を組めると、デジタルトランスフォーメーションに成功する確率は高まるのではないでしょうか?

逆に、この経営層がコミットして意思決定スピードと十分な組織リソースを用意せずに、エンジニアやデータサイエンティスト任せにするDXプロジェクトは途中で破綻するケースが多い印象です。

経営層が変革を主導しきれていないケースは、小さなデジタル活用で終わるケースが多いです。

現場を巻き込むのであれば、そのメンバーに権限を集中させることが必要です。

ここから、2つの事例をみながらデジタルトランスフォーメーションに必要なリーダーの要素を考えていきたいと思います。

すかいらーくがデータ経営にシフトできた背景

外食産業でデジタルシフトを推進して成功している事例としては、すかいらーくが有名です。

上記の記事では触れられていませんが、すかいらーくの場合は、デジタル化の旗振りを担ったのはGoogleの和田千弘氏。和田氏がCMO兼CTOというポジションでデジタルシフトを推進したことは、成功要因の大きなポイントだと考えています。

外部から経営層に人材を入れて、過去の組織文化にとらわれずに一気に変革を進める。

これくらいの大胆さがDXプロジェクトには必要だと感じています。

無印良品がデジタルシフトに成功した背景

次に無印良品のデジタルシフトについて背景を読み解いていきます。

DXに関して意思決定する人が「顧客中心」に考える思考をもっていることは必要条件だと考えており、この「顧客中心」に考えてプロジェクトを成功させたのが無印良品だと考えています。

無印良品は、オムニチャネルの成功事例として紹介されるケースが多い「MUJI passport」という有名なアプリがあります。

無印良品がデジタル活用・オムニチャネル推進に成功したのは、推進役を担った奥谷さんが、顧客を中心に考え、哲学をもってデジタルシフトを進めたことが成功要因なのではないかと考えています。

下記の記事に、オムニチャネル推進を進める上でのポイントがわかりやすくまとまっています。

私自身、オムニチャネルという言葉がバズワードになる前から、購買プロセスにおいてオンラインとオフラインはシームレスに繋がっている必要があり、購買行動はそういった“顧客時間”を考える必要があると思っていました。この考え方をもって、無印良品のデジタル施策を進めていましたので、「オムニチャネル」という言葉を知った際に“顧客時間”のことか、と後から繋がりました。

顧客時間と表現されているように、顧客中心にデジタル活用の可能性を考える。

これが当たり前のようで、見失われるケースが多いように感じています。

まとめ

デジタルトランスフォーメーション・デジタルシフトを考える際に、データを扱う、システムを最適化するという発想は当然大切です。

しかし、この2つを忘れては成功はないと思っています。

①組織の意思決定構造を最適化する
②組織の顧客との向き合い方を最適化する

DXは一種の組織変革プロジェクトですので、小手先に走らず、組織の根底にあるものと推進リーダーが向き合うことができると成功確率は高まるはずです。