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ロケーション探しとは、現実の空間に世界観を作ること【連載17・オタク視点で見るアニメ】

忘年会シーズンです。……が、それとは関係なく、私は「会場を取る」係を楽しく引き受けることがあります。引き受けるものは、結構大人数の集まりであったり、一からやらないといけないものが多いです。
「なんでそんな面倒なことを?」とお思いになる方もいらっしゃると思うのですが、楽しい面も多いのです。(もちろん自分にとって楽しい面が作れないときは辞退しますが……)。

私が会場取りで面白いと思うところ。
それは「自分が好きな空間で決められる」という点です。
そう、私は“ロケーション・マニア”。声優雑誌を担当していたときも、グラビア写真撮影のロケ先やハウススタジオを探したり、シチュエーションを考えるのが楽しかった!(それ以外のところが大変でしたが)。

今も、お気に入りのロケーションやシチュエーションで写真が撮れるとうっとり。
時々行っているアニメの聖地巡礼にも通じるんですが、
「現実の空間に世界観を作る(見い出す)」ことがオタク的な喜びなのです。
おそらくコスプレイヤーさんとも共通する精神だと思います。

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【写真上とトップ画像】ロンドンの『不思議の国のアリス』をモチーフにしたアフタヌーンティー。世界観を作るためには調査と事前予約が必要…!

●「現実の空間に世界観を作る」とは

「現実に世界観を作る」とは何か。アニメ等の聖地巡礼もそのひとつですが、作品の物語の中に立ちたいというのが動機だと思います。

では、既存の物語がない場合の「世界観」とは何か?
その光景を見たときに、魅力的なひとつのコンセプトで統一された場所のことだと思います。

もしロリータ服のファンなら、真っ白な部屋で、ふわふわしたかわいいものに囲まれたい。置かれるのはぬいぐるみだと思います。
ゴシック服のファンなら、黒レースやシルバーアクセサリー等が似合う、黒と赤が基調の部屋や廃墟が似合います。置かれるのはぬいぐるみよりもクラシカルなドールが選ばれそうです。

これがもしサバイバルゲームのファンなら、ミリタリー服が似合うところが好まれる。
とにかく「嗜好する服によっても、好まれる場所が違う」ということが伝われば幸いです……!


●映えロケーションもいいけど、会場には「中の人」がいる

今、私が依頼されて探している会場のコンセプトは「舞踏会」
これはブッキングを張りきらない理由がない! 
ホテルや会館など、舞踏会っぽく見えそうなバンケットの名前を幹事メンバーで集めた後は、私がどんどん電話でお問い合わせして結果報告をslackに上げていきます。
「申し訳ございません。土日はウェディングが優先でして……」。
ウェディング優先に涙を飲みつつも(笑)、良さげな会場は下見に行って、その中でも、めちゃめちゃ素敵なところが発見できて、うっとり写真を撮りまくり!

すると、他の幹事メンバーから「予算的にどうか」という冷静な発言が出ました。
予算! そうだった……!
「座りたい人もいるだろうから椅子がないと」
椅子! そうだった……!

ロケーションマニアは、「美しい」だけで満足してしまい、そこに実際に集まる方々のご事情をお察しするまでに、少し時間がかかるのでした。
グラビア撮影と違って、その瞬間だけ映えればいいわけではないですからね……。

実際にお越しになるお客様に、その世界観を楽しんでいただくためには、抑えなければならないポイントがあるのでした。
私がブッキングする場合のポイントを【後編】でお伝えします。

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アニメジャーナリスト/アニメライター アニメ誌から新聞一般誌を経て日経・アスキー等web媒体でも執筆。アニメとビジネス・マーケティングなど異ジャンルを繋ぐ事に関心あり。『日経COMEMO』連載はnoteで月2回更新。 Twitterアカウントは @watanabe_yumiko
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