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NFTプラットフォームOpen Seaのマーケティングトレース

最近は毎日聞くようになったキーワード「WEB3」

このカテゴリーで、トップを走る企業「Open Sea」に注目をしています。

直近の資金調達で、評価額は設立からわずか4年で133億ドル(約1兆5338億円)

Open SeaのWEBサイト

表のウェブ3のユニコーン20社のうち、NFTまたはゲームを手がける企業は10社に上る。企業価値が最も高いのはNFTマーケットプレースの米オープンシー(OpenSea)で、企業価値は133億ドルに上る。分散化のおかげで、利用者はオープンシーで他のアプリのゲームアイテムや仮想の土地を売買できる。

日経新聞:次世代ネット「Web3」で注目、ブロックチェーン3分野

注目企業の全体像を理解しようと、マーケティングトレースで整理してみました。
注目を集めるWEB3、NFT市場でトップを走るブランドの戦略を理解するのに参考にして頂ければと思います!

2018年からNFT市場に張ってきたOpenSeaは、不確実性の高い新市場でリーダーポジションを確立するポイントを学べる教材だと考えています。

OpenSeaの成功要因を整理してみると

OpenSeaがユニコーンに躍り出ることができた要因は、下記3つだと分析しています。

  1. NFTの世界で課題となっていた「敷居の高さ」をなくし、利用しやすさ、わかりやすさを突出させる

  2. 扱う分野はアートだけでなく、ゲーム、トレーディングカード、メタバース内の不動産など、扱うジャンルを拡張する

  3. 作品数・取引量・参加ユーザー数の全てで市場No.1を獲得することで、多くのビギナーがOpenSeaきっかけにNFTの世界に参加する流れをつくる

OpenSeaは、
NFT入門者でも取っ掛かりやすい体験

を設計したことが最大の成功要因だったと考えることができます。

The NFT marketplace with everything for everyone

OpenSeaのサイトより引用

市場が注目を集めると2番手、3番手は領域特化のサービスを提供していきます。
最近NFTの市場に入ってきているので注目を集めているのは、世界最大級の暗号資産取引所「Coinbase」です。

後発企業が入ってきても勝ち続けられる状態

OpenSeaの取引手数料をみると2.5%と業界最安値となっています。

・サービスの汎用性を高めてユーザーを増やす

・先行者優位を獲得

・価格優位性を獲得してさらにユーザーを増やす

ユニコーン企業として大きく資金調達→さらに仕掛けてユーザーを増やす


規模の経済を効かせて、市場が伸びれば成長し続けるモデルへ…とOpenSeaは無双状態をつくっています。
(NFT市場が不確実性が高いので、もちろん今後の成長がどうなるかはわかりませんが)

OpenSeaの成長や戦い方からの学びをまとめていきます。

不確実な市場では"汎用性"を高めることが鍵になる

NFTは全く新しい市場で情報が不足していたため、どの市場に張るべきかを予想できなかった。それゆえカテゴリを絞って専門特化せず、汎用的なプラットフォームを構築することを選択。

2018年からNFTマーケットが成長すると信じ、汎用性を高め続けてきたからこそ、現在の先行者・独走状態のポジションを築けているわけです。

新ジャンルを開拓する時のマーケティング発想

WEB3・NFTの市場を牽引するOpenSeaからの学びをまとめます。

新市場・新ジャンルにおいては、専門化・差別化より汎用性を高めるアプローチが有効なケースが多いということです。

ポイント
1. 未来の予測が立てにくい市場では、ターゲットを絞り過ぎない(実務だといきなりペルソナをつくって…といったことはやらない)こと
2. 専門性を絞り過ぎず、カテゴリー入門者に優しい体験設計を心がけること

セグメントを区切ってコアターゲットを発見することはマーケティングの定石です。
しかし、NFTほど不確実な市場で、OpenSeaはターゲットを絞らないで成功しているのは面白いなと思っています。

最近はユニコーン調査を眺めることにハマっており、今後も国内、海外ユニコーン企業、これから生まれる新市場をつくるスタートアップ企業のトレースは書いていきます!

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日経のNEXTユニコーン調査が面白いです。
NEXTユニコーンを分析しながら、目の前のことだけ頑張っていてはダメだ…と仕事の視点を広げるのはオススメです!

ユニコーン企業はマーケティングを教科書通りにやっているわけではないケースが多いので、その仕掛け方から学びたい。

そして、この不確実性が高い中での攻め方を学ぶのに圧倒的にオススメなのは濱口秀司さんのイノベーションの作法です。

高いですが新規事業や、新サービスのマーケティングに関わる人は読んでおきたい内容です。


最後まで読んでくださりありがとうございました!