中国のキャンプ市場の今と未来。軽量化キャンプ需要と若者の本音
日本のキャンプやアウトドアブームがすごいとの記事を見ましたので、今日は中国のキャンプ事情について紹介します。
中国では日本のようなキャンプブームはまだ起きてないです。そもそもレジャーとしてのキャンプの認識が違うという感じ。周りの感覚的にもハイキングや登山の補完、ニッチな遊びでスタイルにあまりこだわらないという具合です。
ただ、コロナでアウトドア熱が高まっているのは事実。また、日本や韓国のキャンプやアウトドアブームの影響も受けていて、成長も加速してきているというデータがあります。
おなじみ艾媒咨询(iimedia)のデータによると、中国におけるキャンプ場の市場規模は2014年から2020年にかけて77.1億元から168億元へと増加してきたと分析されています。 そして2021年のキャンプ場市場規模は299億人民元と昨年比で成長率78.0%。 2022年には市場規模354.6億元(成長率18.6%)に達すると予想されています。ブームとまではいかなくても相当大きな市場であることは間違いないですね。
また現段階でのキャンプへの関わり方も興味深く、62.8%が家族と、55.0%が友人と、42.4%が恋人とキャンプをしていて、1人でキャンプをしている人はわずか1.7%というデータも。日本ではソロキャンが流行っているとのニュースを目にしましたが、中国では比率はだいぶ低い。
ただ、冒頭述べたように海外の”新しいスタイル”がこれから発展していくことでキャンプのスタイルが進化していくのではないかとはアナリストも予想しています。キャンプ x スポーツ、キャンプ x レジャー、キャンプ x 芸能、キャンプ x 勉強 などがリストアップされています。
なかでも轻量化露营(軽量キャンプ)が注目されています。これは日本でもそうですかね?
↑400 years later... の表現は中国のショート動画でお決まりのフレーズ。サクッとキャンプしたいって需要が高まっていて、伝統的なキャンプの醍醐味とは違うところに魅力を感じている。
ちなみに軽量化キャンプのキーワードとしてあげられていたのは下記の5つ
-車なし
-家族以外とキャンプ
-キャンプ場であまり時間を費やしたくない
-ハイキング、クライミングに挑戦したい、または既に挑戦している
-より純粋な自然体験がしたい
それに伴ってアウトドアブランドも素材の革新や、収納性や持ち運びの便利さ、組み立ての簡便性に優れたデザインを開発しています。あくまで自然と共にリラックスしたキャンプライフの需要が高いようでここを狙っています。
軽量化キャンプについて、中国のインスタことレッドで驚きの「軽量化キャンプ」をしてる人を見つけました↓
↑アウトドアチェア二つとコーヒー2杯で、3日間に3回の軽量化キャンプをしたって。キャンプの定義がなんなのかを考えさせられます。。
あと面白かったデータでは、中国のキャンプ好きの48%がショートビデオのプラットフォームからキャンプ情報を入手していて、キャンプ消費者一人当たり平均3.2チャンネルからキャンプ情報を入手しているということ。てっきりBlogやSNSや長尺動画からかと思ってましたが、もはやショート動画が情報取得するのに一番適した場所になってきている。
また、他の記事では、現在人気そうなキャンプ市場を冷静に分析されていて、地域性による影響も考察されています。とにかく広い中国ですから、北の方では春と秋は良くても冬は寒い季節が長いので、ほとんど商売できない場合もあります。
↑2021年時点の中国各地のキャンプ上の数を地域別に。山东は北京からも比較的行きやすいですし、自然が豊かで人気だろうなと思います。南の海南、广东、西の陕西,四川なども数が多い。
消費者についてのデータでは、今の中国キャンプビジネスは上海、北京、広州、深圳、南京、杭州、天津などのビッグ都市に集中していて、どちらかというと華東エリアで人気です。その中でも都市に住む若者にフォーカスすると、若者たちは、流行りを追う消費行動が多いから、KOL宣伝やSNSの友だちの映え写真に影響されやすくて、試してみたらおしまい的な消費行動も多いようです。
中国の旅情報口コミ「马蜂窝」が発表した「2022キャンプ品質消費研究報告」では、自然を愛し、流行りを追う90年代生まれと00年代生まれがキャンプ消費のメインとなり、64%の意思決定者が女性。
ちょっと前にWeiboのトレンドに入ったこんな話題がありました。
↑ゴールデンウィークにキャンプに行った男性への取材では、「なぜにキャンプすることを選んだか?」について「流行りを追った」と回答。
「行ってから何かいい景色ありましたか?」については、「景色を見ることは若者ではなく、60歳以上の人がやること」だと答えました。そのうえ「運転があったからお酒も飲めなかった」と相当不満があったよう。記者からは「では..本当はなぜ行こうと決めたの?」については「彼女が行きたいから」と本音を回答して、この答えがたくさんのネット民から好感され「正直boy」と評価されてました。共感できます笑
広大な中国のいろんなところでキャンプするってのはとても楽しいですし周りでもハマってる人がいます。まだまだ次世代キャンプの可能性に溢れていると思うので中国市場にチャレンジしてみるのはどうでしょうか。
(参考資料)
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