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帝国主義者は定刻主義者

 なぜ19世紀以来、欧米が世界を制覇したのか。特に米英の成功の秘密は何なのか。なぜ、この二つの国は戦争を戦い続け、しかも大半の戦争で勝ち続けるのか。アメリカの大学に留学して、この疑問に対する自分なりの答えを見つけたような気がした。アメリカ人は遅刻しないのである。講義でも何でも時間通りに始まる。やはり、戦争に勝つには、これが絶対の条件である。戦場に部隊が遅れて来たのでは、話にもならない。

 欧米が中東を圧倒した背景の一つには、やはり時間の概念の違いがあるだろう。中東に住んでみて、つくづくと時間の概念の柔らかさを思い知らされる経験が多かった。約束通りの時間に参上すると、そういうのを「イギリス人の約束」と呼ぶんだよとクウェートで聞かされた。イギリス人が時間を守るのに、アラブ人は驚いたのだろう。

 13世紀にユーラシアの覇者となったモンゴルのチンギスハーンは戦場に遅れて来た部隊は、戦いの後で皆殺しにしていたという。こうでもしなければ、モンゴル人は時間を守らなかったのだろう。時間を守ることが戦争に勝つ一つの条件である。戦争に勝って領土を広げて帝国主義者になるためには、まず定刻主義者になる必要がある。6月10日の時の記念日を前にしての思いである。

写真は騎馬軍団同士の衝突の絵 Staatsbibliothek Berlin/Schacht - Dschingis Khan und seine Erben (exhibition catalogue), München 2005, p. 256


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