悲惨指数

GDPよりも「実感」が優先されるのか

景気判断が「悪化」に転じた割には、国民生活に悲壮感はありません。国民の生活がどれくらい悲惨かを示す「悲惨指数」は、失業率とインフレ率を足し合わせて算出されますが、現在の日本の同指数は3.3であり、歴史的にみてかなり低水準です(トップ画像を参照)。失業率は低く、インフレ率も低い。平成バブル景気の1988年や、日本がデフレ不況に陥る前の95年頃とほぼ同水準です。政府・与党に対する国民の支持率が高いのは、国民の景気実感が極めて良好だからなのかもしれません。

19年1-3月期の実質GDP(1次速報値)は、見た目の成長率以上に中身の悪さが目立ちました。足元の景気の先行指標は総じて下向きで、政府・日銀が掲げる物価目標2%の達成も程遠い状況です。しかし国民の(正確には有権者の)景気実感さえ良好ならば、政治家は選挙結果を気にすることなく、増税や憲法改正といったハードルの高い政治課題を優先する気がします。もちろん、それが日本経済にとって望ましい選択である保証は全くありませんが。


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お読みいただき有難うございました。 小難しい経済ニュースをより身近に感じて頂けるよう、これからも投稿してまいります。

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宮嵜 浩(エコノミスト)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 景気循環研究所シニアエコノミスト。日本経済の分析・予測を担当しています。

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