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メイカーフェアに見るSTEM教育の重要性(1/2)

(本記事は2部構成でお送りします。後半は下部のリンクからご覧ください)

© phreaky

Maker Faire(メイカーフェア)をご存知だろうか? ものづくりが好きな同好が集まり、思い思いに展示や交流を楽しむお祭りだ。テック企業が軒を連ねるサンフランシスコや、いまや世界のものづくりに深く関わる深センなどでも開催され、日本でもMaker Faire Tokyoとして開催されるようになった。

http://makezine.jp/blog/2018/01/mft2018_announce.html

日本ではプログラミング教育熱の高まりを受けて、超小型コンピューターを組み合わせた「プログラミングの第一歩」として注目を集めている。

http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1003590/080801103/?rt=nocnt

この動きは日本だけではなく、受験競争の激しい中国や香港でも同じような傾向が見られる。どちらもいわゆる「STEM教育」の一貫として注目を集めているのであるが、あくまで従来の延長線上での「理数系教育の強化」としての日本型と、「テクノロジーを使いこなし新しいものを計画し作る」一連の流れを重視している他国とではその認識が異なるようだ。

https://www.businessinsider.jp/post-159595

日本では、STEM教育というと文字通りScience(科学)・Technology(技術)・Engineering(工学)・Math(数学)の強化と紹介され、理数系科目の強化にばかり注目が集まる。香港で行われている教育はそれとは一線を画し、理数系の知識をベースに「これまでになかったモノを計画し、作る」一連の流れがSTEM教育とされている。

世界がソフトウエアに覆われていく世の中において、もはやコンピューターを使いこなせないシリコンバレーの経営者はいない。多くは今もプログラミングをしたり、自らブログやSNSで発信したりしており、そこから次のビジネスのアイデアを生み出している。人任せにしている人と、自身で使いこなしている人とでは大きな差がつきはじめている。また、時代の流れの早さにおいつくためにも、新しいテクノロジーはまっさきに体感し、それが既存のビジネスにどういう影響を与え得るのかを学ぶ必要がある。

同様に、情報が瞬時に世界を駆け巡る環境において、アイデアそれ単体ではもはや価値を生み出さない。多くの人は「革新的なアイデアは突然天から降ってきて、それさえあれば画期的な製品・サービスが生まれる」と思っているが、実はそうではない。多くのインサイトを消化する中でいくつかの発想が生まれ、プロトタイプをつくりさらに試行錯誤を繰り返す中で良いサービスとして磨き込まれる。世界で20億人が利用するFacebookでさえ、スタートは彼の所属するハーバード大学において、女子学生の身分証明写真を公開し(しかもハッキングで得たデータ)、公開した女子学生の顔を比べて勝ち抜き投票させる「フェイスマッシュ」というゲームである。Facebookが今のようなSNSとして大成功したことは、彼自身がプログラマーであり超高速で試行錯誤を繰り返すことができたことが大きな一因であろう。

後編では5月18〜20日にサンフランシスコで行われた「Maker Faire Bayarea」での最新状況を、現地での取材写真とともにお送りしたい。

https://comemo.io/entries/8210

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