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「ジョブ型雇用」にシフトすると、「人」の概念が変わりフリーランス・複業人材活用が進む。

コロナ禍が僕たちにもたらした変化はあまりにも大きいですが、その筆頭格が「働き方」の変化でしょう。

「在宅勤務を7割に」とのことですが、罰則規定も何もないので、実際にどこまで浸透するかはさておき、カルビー富士通をはじめ、大手企業を中心に、決して少なくない数の企業が在宅勤務やリモートワークへのシフトを表明しています。

それに伴い、にわかに議論が白熱しているのが「ジョブ型雇用」へのシフトです。

ジョブ型雇用は職務を明確に規定し成果を評価しやすくする制度で、時間ベースの管理がしにくい在宅勤務とも相性がいいとされる。

「ジョブ型雇用」は雇用のあり方の話なので、職務を明確に規定し成果を評価しやすくする制度という定義には若干違和感がありますし、職務を明確に規定し成果を評価しやすくするのは、在宅勤務関係なく必要なのでは…?!というツッコミもなくはないのですが、在宅勤務制度の広がりとともに議論が進むのはとてもいいことだと思っています。

なぜいま、ジョブ型雇用へのシフトが進んでいるのか?

以下にジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の違いについてまとめましたが、「ジョブ型雇用」へのシフトがもたらすものの中で最も大きな変化の一つが、「給与の決め方の変化」でしょう。

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日本企業の多くは、年功序列・終身雇用の御旗のもと、メンバーシップ型雇用・新卒一括採用・職能給で人事制度を設計してきました。

職能給制度では「仕事をすすめる能力(職務遂行能力と言います)に紐付いて給料が決まる」のですが、「じゃあ能力ってどうやって測るのよ?」という疑問が当然出てきますよね。

ドラゴンボールのスカウターのように能力を数値化してくれるものがあれば良いのですが、そんなものは現実にはないので、職能資格制度役割等級制度などを用いて、「ヒラ社員だといくら、係長(リーダー)だといくら、課長(マネージャー)だといくら…」みたいな感じで、それぞれの「職務遂行能力」に応じて役職や役割が決まり、それぞれの役職・役割に応じて給料が設定される、という形をとっています。

ここでは詳細の説明は割愛しますが、メンバーシップ型雇用にもメリットがある程度あるものの、在宅勤務が広がったことで、「いつ誰が何をやっているか」をリアルタイムで管理・把握することが物理的に困難になった結果、「いつまでに誰が何をやるか」を「その都度決める」のではなく、「予め決めて振り返れる形にしよう」という議論が進み、「そうすると、ジョブディスクリプション(職務内容を詳細に記した文書)が必要になるし、それなら評価や給料もそれに連動させられるジョブ型雇用が良いのでは」となり、急速にジョブ型雇用へのシフトの議論が白熱しているのですよね。

「ジョブ型雇用」にシフトするとどんな変化が起こるか?

メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へ、そして職能給から職務給にシフトした時、どんな変化が起こるのでしょうか。

そもそも本当にジョブ型雇用にシフトできるのか?日本型雇用に、ジョブ型雇用はなじまないのではないか?なども議論の余地が多分にあるのですが、今回のnoteではその点には立ち入らず、ジョブ型雇用にシフトしたらどんな変化が起こり、その変化に対してどう対応すべきか?という問いにフォーカスしたいと思います。

再掲になりますが、ジョブ型とメンバーシップ型との違いをまとめるとざっくり以下の通りです。

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職能給⇔職務給など、それぞれ深堀りしがいがあるテーマですが、中でも大きな違いが生まれるのが「考え方」の部分だと思っています。

A:人に仕事をつける

B:仕事に人をつける

これまではまず「人」ありきで、その中で適切な仕事を割り振っていたのに対して、ジョブ型雇用に移行すると「仕事」に対して適切な「人」をアサインする、という流れになります。

半沢直樹で「元々営業部にいた人を、戒めに総務部に異動させてコピー取りをさせる」みたいなシーンがちょくちょく出てきますが、それは「人に仕事をつける」という考え方が前提にあるわけで、「仕事に人をつける」というジョブ型雇用の世界ではありえないのですよね。

「人に仕事をつける」のか?
「仕事に人をつける」のか?

この違いは非常に大きいです。

なぜなら、ジョブ型雇用の前提となる「仕事に人をつける」という考え方にシフトすると、「人」に対する考え方がガラッと変化することになるからです。

「人に仕事をつける」考え方においては、

「人」=従業員(正社員>契約社員>派遣社員)

です。

大小問わず、日本の伝統的な企業では、個人への発注が禁止されているなど、フリーランスを含めた社外人材の活用度が著しく低く、原則すべての業務を自社の従業員で何とかしようとする「自前主義」か、自社ではできないこと(例えばシステム開発など)は業者に丸投げする「外注主義」のどちらか、という非常に極端なスタイルを取っているのはこのためです。

「人に仕事をつける」というメンバーシップ型雇用においては、どうしても「人=従業員で何とかする」ことが最優先されるのです。

ところが、ジョブ型雇用の「仕事に人をつける」という考え方に立つと、

「人」=従業員(正社員>契約社員>派遣社員)

という方程式が崩壊します。

なぜなら「仕事に人をつける」ジョブ型雇用においては「仕事の成果を最大化する」ことが最優先されるため、

人=任せたい仕事をもっとも高いレベルで遂行できる人材

と「人」の定義がガラッと変わり、仕事の内容によっては任せたい仕事をもっとも高いレベルで遂行できる人材」が従業員とは限らないからです。

そういうわけで、ジョブ型雇用へのシフトが進むと、人と仕事に対する「考え方」が変わり、「人」という言葉の意味の再定義が進んでいくはずなのです。

「ジョブ型雇用」にシフトすると、「人」の概念が変わりフリーランス・複業人材活用が進む。

任せたい仕事をもっとも高いレベルで遂行できる人材」が従業員とは限らないという話をしましたが、もう少し具体的なお話をしましょう。

あるプロジェクトを推進する上で必要な仕事が発生した場合、次のような場合分けができます。

①仕事の適任者が社内にいて、社内で仕事が完結できる場合
②仕事の適任者が社内にいるものの、他の仕事で手一杯でアサインが難しい場合
仕事の適任者が社内にいて、アサインは可能なものの、社外の人材を入れた方がより大きな成果を期待できる場合
④仕事の適任者が社内にはいないが、社外には適切な人材がいる場合

①の場合を除いて、②~④のいずれのパターンにおいても、「フリーランスや複業タレントなど、社外の人材を活用する」という選択肢が自然と出てきますよね。

まだまだ重厚長大産業を中心に、超大手企業では「外部人材の活用」が進んでいないどころか、個人への発注が認められていないところも非常に多いです。

上記の通り、「ジョブ型雇用」へのシフトは、本質的には人材活用のあり方、考え方のシフトでもあるので、ジョブ型雇用へのシフトを表明している企業は、フリーランスや複業タレントなど外部人材の積極活用もセットで推進していただけると良いかなと思います。

三菱地所、ライオンなど「副業解禁」と「副業人材の公募」がセットで公表されるケースも最近では増えてきています。

そして、今月に入ってからはヤフー、ユニリーバが立て続けに副業人材の公募をスタートさせています。

この流れは一過性のものではなく、ジョブ型雇用へのシフトにあわせて、副業(複業)人材やフリーランスを含めた外部人材の活用は今後一層進むことでしょう。
(裏を返せば、プロジェクトを推進する上で、従業員しか選択肢がなく、外部人材の活用が認められない企業はどんどん競争劣位になっていくことでしょう)

そういうわけで、本当は「外部人材活用のポイント」的なことも書きたかったのですが、3000文字を超えてしまったので、今回はここまで!

さわり的なことはTwitterで連続ツイートしているのですが、もっとじっくり「外部人材活用のポイント」が聞きたい!という方はコメント欄やTwitterからその旨お知らせください!ニースがありそうであればnoteにまとめたいと思います。

そういえば、ちょうど今週開催される『Corporate Tech Conference』というイベントで、「これからの組織はどうあるべきか~HRXは外部人材の登用から~」という外部人材活用ど真ん中のセッションで登壇する予定です。

ご興味ある方はぜひ~!

最後までお読みくださりありがとうございましたー!

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複業研究家/HRマーケター。元学生パパ。株式会社HARES代表取締役。NPO法人ファザーリングジャパン理事。32歳3児(12歳👦🏻/8歳🧒🏻/4歳👧🏻)の父。首都大学東京法学系卒。お仕事の依頼は→ s.n@hares.jp

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