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複業をはじめるベストタイミングはいつ?

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前回、第15回はコチラからどうぞ。

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Q1 複業を始めるベストタイミングはいつ?
A 本業で成果を出し、コアスキルを磨いてから

 この章では、複業を始めるにあたりよく相談される質問について答えていきます。

 まず、「複業には興味があるけれど、いつ始めようか迷っています」という質問。

 そんな迷いの声はよく聞かれます。最近では、若い人に限らず、40〜50 代の方からご相談を受けることも少なくありません。

「もうこんな歳だから、遅過ぎるよね?」と弱気になっている方に対して、僕が即答するのが「複業に〝遅過ぎる〟ということはありません」という言葉。

 これは決して建前ではありません。なぜなら、決まった採用時期や定年の概念さえない複業の世界には、年齢制限は存在しないからです。

 60歳から始めて、死ぬまで続ける複業ライフもあっていいし、YouTuber としてすでに複業デビューしている小学生だってたくさんいます。

 ということで、複業においては年齢による制限は一切なし、と念押ししておきます。

「本業での成果」はあったほうがいい

 一方で、「経験に応じたベストタイミングはある」というのもまた複業の真実。

 例えば、社会人1年目で、特にやりたいことがあるわけでもなく、とりわけ事業開始を急ぐ理由もない人が「とりあえず皆やってるし、副業を始めてみようかな」と考えていたとしたら、僕は「明確にやりたいことがないなら、もう少し待ってみては?」とアドバイスします。

 なぜなら、複業を着実に成功させる原動力となるのが「本業での成果」だからです。

 やりたいことがあるなら別ですが、本業で何も成果を出しておらず、ただでさえ仕事の基礎を覚えるのに忙しい社会人1年目に、いきなり複業ライフに挑戦したとしても、思うようにはいかない可能性は大きい。

 繰り返しになりますが、複業は「本業で得られない経験や学び」を求めにいくものなので、まずは「本業で得られる経験や学び」のほうを明らかにしていくことが重要なのです。

 理想的なのは、本業で誰もが認める圧倒的な成果を出してから、複業を始めるという順番です。

「△△ですごい貢献をした○○さん」というキャリアタグRがついた後であれば、周囲の信頼をある程度集めた段階での複業スタートが可能となり、立ち上げもスムーズに進みます。

 すると、「△△ですごい貢献をした○○さんに、こんな案件のお願いがしたい」と、複業の成果が本業に、本業の成果が複業に良い影響を与える、スパイラル状の発展が生まれていきます。

まずは、本業で「コアスキル」を磨く

 ちなみに、僕自身は会社員時代に複業生活を経て、2017年に独立したわけですが、今の事業を支えているメシの種も会社員時代の本業の成果が元になっています。

 当時は年間数名にしか満たなかった「リファラル採用」(社内外の人的ネットワークを通じた紹介・推薦による採用)を強化し、年間50人まで拡大して貢献したという実績が、僕の独立後の本業、人事・採用コンサルタントとしてのビジネスを推進する強みとなっているのです。

 複業研究家としての活動による収益は全体の3割程度で、「HR(人事・採用)マーケティングの西村」というコアスキルで広がるコンサルティング事業が、現在の僕の本業です。

将来の独立を考えるうえでも、本業でコアスキルを十分に磨くのが有効だということは、僕の経験上からも明言できます。

複業は、あなたに「個性」を加える

 こう説明すると、「だったら本業だけ頑張ったほうがいいんじゃない?」という反論もあるかもしれません。「複業をやる意味はあるの?」と。もちろん、あります。

 本業でいくら頑張って成果を出したとしても、同じ会社で同じくらいの能力の人間が集まっていると、どうしても成果は他人からみたときに目立つものにはなりにくい傾向があります。

 つまり、自分としてはすごく差をつけたつもりでも、客観的に見れば「どんぐりの背比べ」になってしまうのです。

「こんなに頑張っているのに、どうして上司は評価してくれないんだ!」と不満を抱いている人がいるとしたら、もしかしたら、あなたの人材としての希少価値がしっかり上司に伝わっていない可能性があります。

 似たり寄ったりのメンバーの中でキラリと輝く個性や持ち味。そんなスパイスを付与してくれるのが、複業の効果です。

「西村は本業で良い成果も出したし、それ以外にも、IT業界に精通していて、ブログも好評らしい」

 そんな二重、三重のキャラづけをすることで、人材としての価値はより濃く印象づけられるはずです。

 本業の成果 × 強みや好きを活かした複業

 この掛け算は、〝他者との差別化〟をかなえる公式と言ってもいいでしょう。

 この公式が成り立つためには、今、何をするべきか?

 そう考えていくと、自分にとっての複業の始め時も自然と導き出せるはずです。

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