リスキリングによる労働移動の促進に経営者は含まれるのか?
こんにちは、電脳コラムニストの村上です。
以前からリスキリングの重要性について様々な記事をあげてきましたが、ついに国家レベルでの取り組みが進む機運が高まってきました。
具体的な施策はこれからですが、国をあげて本気で「人への投資」に目を向けたことは素直に評価できるでしょう。「転職者や副業する人を受け入れる企業への支援」がどういったものなのかが非常に興味深いですが、年功序列を打破するという意味で広くジョブ型への移行を促進していくということでしょうか。非正規雇用から正規雇用への転換も促進するとのことですので、詳細は施策の発表を待ちたいと思います。
この方針を具体化するために、自民党内に「リスキリング議連」も発足するようです。
新しいデジタル技術が次々と誕生し、社会全体に浸透しようとしています。日本は国土に比べて平地が少なく、結果的に都市の密度が高いです。また、文化的にも対面の会話や飲みニケーションに代表されるような社内外における狭く濃密な人脈を重要視してきました。特に社内においては年功序列・終身雇用が前提だったことから、長期的な関係性を大切にしてきました。ある意味、高度経済成長はこれなくしては実現し得なかったとも言えるでしょう。
しかし、時代の移り変わりと共に働き方をアップデートする必要があったものの、バブル崩壊以降の失われた30年間で実行することができませんでした。そこにきてコロナ禍に見舞われ、いよいよ抜本的に見直す契機が訪れました。
政府の掲げる「人への投資」という方針は歓迎すべきです。産業における機械化や自動化がさらに進んでいく中で、人がやるべき仕事が再定義されていきます。そこには、新しい技術への理解が不可欠ですし、使いこなすためのスキルが必要です。この方針の元、多くの方々のスキルアップしていくことはまさに国力につながるでしょう。
一方で、リスキリングの対象については、さらに踏み込んだ施策が必要だと考えています。以前の記事でも指摘しましたが、中間管理職および経営層のリスキリングがキーポイントです。
意思決定層が新しい技術を理解しきれるのか。もしくは、大胆にわかる層にバトンタッチできるのか。最近でも大成功した企業の後継者問題がニュースになっています。労働移動を促進するというのであれば、経営者の流動性をどう考えるのかというのは、非常に難しいテーマではありますが避けては通れない議論だと思います。
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