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ドイツ銀は人事制度の教訓が盛り沢山?!〜業績連動報酬を経済の目線で〜

みなさま、こんばんは!エコノミストの崔真淑(さいますみ)です。おかげさまで著書「30年分の経済ニュースが1時間で学べる」は1万部達成、そして2冊目も刊行が決定!詳細は後日に。貴重な機会に感謝です。これも、みなさまの支えのおかげです。今回は、ドイツ銀行の経済ニュースを軸に、働き方や人事制度のインセンティブ設計を考えていきます。

*ドイツ銀行に何があった?

先日、ドイツ銀行に衝撃が走った経済ニュースがありました。アジア市場の投資銀行部門を撤退するというのです。例えば、株式運用部門などが該当します。急な撤退について、FTが辛口コメントしています。でも、辛口なだけでなく、徹底した業績連動報酬への批判も興味深いです。記事では、あまりに業績連動にしすぎると、マーケット(株式市場や債券市場などのことで、金融機関はそれらの市場で運用収益を上げるのも主要業務の一つ)のアップダウンに左右されすぎて、従業員のモチベーションダウンや企業不信になるのでは?と指摘しています。


*過剰な業績連動報酬は金融業界以外でも問題!?

実は、上記の問題は経済学でいう「マルチタスク問題」としてずっと議論されているのです。あまりに業績連動報酬が過剰になると、業績や自分の業務以外はおざなりになり(例 目先の営業獲得ばかりで社内コミュニケーションがおろそかになる、個人不正に走りかねないなど)、結果的に企業全体で不利益になりかねないということです。更には、あまりに業績連動すぎるともはや景気動向に左右されかねず、自分の報酬が運次第という結果になり、従業員モチベーションも下がりかねないと。

(イラスト出所 崔真淑著「30年分の経済ニュースが1時間学べる」)

働き方改革だけでなく、人事評価や報酬体系もメスが入りつつある日本。ドイツ銀行のニュースは教訓が盛りだくさんかもしれません。

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崔真淑/さいますみ


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