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割を食う30〜40代。今こそ考えたい「40歳定年制」

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

「40歳定年制」と聞いて、どう思いますか?「え、残りの人生、どうするの??」とビックリするかもしれませんね。

2019年は令和という新しい時代の幕開けでしたが、日本型雇用を否定するような発言が「内部から」相次いだという意味で特異な年でもありました。内部というのは経団連や日本を代表する大企業のトップなど、終身雇用・年功賃金の代表格のような方々という意味です。いよいよこの制度の雲行きが怪しくなり、来年度移行は本格的に見直しが加速することでしょう。

そうなったときに、何が起こるのでしょうか。以下の記事では「最も割りを食うのは30〜40代であろう」と指摘しています。

「年功賃金や終身雇用への批判は60年代の池田勇人内閣時代にもあった古くて新しい問題だ。でも今度こそ本当に企業は見直す。理由は3つある」

「1つは社員の年齢構成。年功賃金は『後払い型』といわれる。20~30代に貢献度より低い賃金で働き、40~50代に貢献度より高い賃金を受け取る。この仕組みは若い人が多く中高年が少ない社員構成でないと維持できない。今はバブル期に大量採用した50代前半が突出して多い。貢献度より高い賃金を中高年に払い続けることはできない」

「2つ目は技術革新がさらに加速していること。若いころ身に付けた能力や知識が定年までもたず陳腐化してしまう。貢献を期待できない社員を抱え続けるのも限界だ。3つ目が働き方改革の影響だ。同一労働同一賃金が来年から企業に求められる。正社員と非正規社員の待遇格差是正にコストがかかる。人件費コスト全体を抑制するために企業は正社員の雇用のあり方を見直さざるを得ない」

少子高齢化の波はもちろん企業にもやってくるわけで、これは確定した未来です。40代というといわゆるロスジェネ世代ですが、またしても割を食うことになりそうです。

ではどうすればよいのでしょうか? 1つの解として、東大の柳川教授は「40歳定年制」を提唱しています。

かつては、入社後の20代の時期に一生懸命学んだスキルで一生食べていけました。しかし、今は社会に出て20年や30年ごとに、大きなスキルアップをする必要が出てきています。働き方や働く場所も変えて、何度もキャリアを転換する。「人生二毛作」や「三毛作」を考えても良い。ぴったり40歳でなくてもいいのですが、ある時期に改めて立ち止まって、皆がスキルアップに時間をかけられるような制度を作るべきだと考えています。誰だって会社を辞める自由はありますし、学校に行く自由もあります。一旦40歳で定年退職しましょうという風潮が仮に作れたら、多くの人が次のキャリアに向けたポジティブな準備へと移ることが可能だと考えました。

かつては社内の異動(ローテーション)を通じてそのときに必要な知識やスキルを追加してくれる制度が機能していました。今は会社側にそのような形での人材育成の余裕がなくなってきており、むしろ即戦力を求めて外部人材に目を向けるように。その際には、職務を明確にした専門人材として「ジョブ型」での雇用が広がっています。

職務を明確にして専門人材として働く「ジョブ型」雇用も広がる。導入している企業は43.8%、導入を検討している企業も19.4%あった。

プログラミングやAI開発などに携わるデジタル人材の採用意欲も高い。2020年度は19年度に比べデジタル人材を増やすと回答したのは77%。中途採用で増やすと回答したのは89.2%、新卒では57.7%だった。

「40歳定年制」を念頭におけば、一旦立ち止まって自身を振り返り、違う業種や会社にも目を向けることで、自身の強み・弱みを知り、弱みを補完するために必要なスキルもはっきりするでしょう。国や企業はこのようなスキルアップを応援することで、より労働市場が強くなる。ひいてはより経済が発展することにもつながるでしょう。

もうすぐ令和元年も終わり、新しい年を迎えます。年末年始は「自分のキャリアの棚卸し」をしてみてはいかがでしょうか? 

そんなときに便利なツールが、ビジネス専用SNSである「LinkedIn」(リンクトイン)。プロフィールを書くことでキャリアの振り返りができますし、同じ業界にいる方々のプロフィールを見るだけでも参考になります。プライバシー設定も細かくできるので、公開範囲もコントロールできます。

ひとりでも多くの方が、楽しくやりがいを感じられる社会になればいいですね。私も微力ながら、その一翼を担うべくがんばっていきたいと思います!

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タイトル画像提供:タカス / PIXTA(ピクスタ)

#COMEMO #NIKKEI

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