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アニメ映画の上映状況について考える=ドイツ編

ドイツでは新海誠監督のアニメ映画『すずめの戸締まり』が、2月に開催されるベルリン国際映画祭で上映されます。日本のマスコミでも大きく報じられ、最高賞の『金熊賞』を受賞するのか、日本のファンだけでなく、世界中のアニメファンがソワソワしているのではないでしょうか。

今回はそんなドイツにおけるアニメ映画の上映状況について考えてみたいと思います。

まず、『すずめの戸締まり』はドイツでは、ソニーG傘下のアニメ配信大手クランチロールが配給を担当し、ドイツ各地の映画館で4月13日に上映が開始します。

日本ではアニメ映画といえば、ハリウッド映画と同様に映画館で一定期間、毎日上映されていますが、ドイツでは大手のシネコングループであっても基本的にイベント上映が中心です。興行成績によっては、上映日が追加されることもあります。映画館以外では、フランクフルトで開催される日本映画祭「ニッポンコネクション」のようなイベント会場でも最新のアニメ映画が上映されます。

毎月、月末の火曜日にアニメ映画を上映するイベント「アニメ・ナイト」はドイツやオーストリアを含むドイツ語圏の映画館で実施され、昨年2022年も『呪術廻戦0』や『名探偵コナン』、『僕のヒーローアカデミア』などが上映されました。

今年も、すでに4月までの上映タイトルが発表されており、1月は『転スラ』の劇場版、2月は『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』が予定あされています。このマンスリーイベント「アニメ・ナイト」を運営するのはクランチロールですが、『すずめの戸締まり』は別枠での配給になるようです。

このほか、ドイツのアニメ販売会社のKSM AnimeはTVアニメシリーズのローカライズにとどまらず劇場アニメも手掛けており、映画館で上映することもあります。同社がドイツ語版を手掛けた『龍とそばかすの姫』では監督の細田守氏をドイツに招聘し、ハンブルクとベルリンで舞台挨拶を実施しました。

ドイツ独特のアニメ上映イベントかもしれないものに、都市巡回型の「アキバパス・フェスティバル」があります。シネコンの上映ホールを複数、丸一日貸し切りにして、およそ10作品ほどの新作アニメ映画を上映するものです。1日中、映画館で新作アニメ映画を楽しめるコンセプトです。筆者も過去、取り上げています。

この「アキバパス・フェスティバル」は、コロナ禍までは日本からの関係者の招聘も拡大傾向にあり順調そのものでした。しかし、2021年に加えて2022年も開催に向けた準備が進められてきましたが、中止を余儀なくされています。2022年に至っては、複数都市で上映予定だった映画を秋に開催されたアニメファンイベント「コンニチ」で上映しました。上映自体はなんとかなった格好ですが、上映会場は1か所にとどまったことになります。また、関係者の招聘もドイツ語版に関わった声優たちのみのようでした。
今年2023年については、例年1月2月に開催されてきましたが、今のところ特に発表はありません。先に触れた、マンスリーイベントの「アニメ・ナイト」の復活具合とは明暗が分かれたと言っても良いのかも知れません。もちろん、筆者としても復活を期待したいところです。

以上、ざっくりとですが、ドイツにおけるアニメ映画の上映状況を整理してみました。アニメ映画は今はや日本国内だけでなく、米国でも興行成績に注目が集まっています。ドイツでも近年、さまざまな上映イベントの登場で賑わってきました。行動規制がほぼ終了する今年はどうなるのか、今後の動向が気になるところです。


(2023年2月15日:単純なタイプミスによる誤表記2ヶ所を訂正)



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