就職時から続く苦難、ロスジェネの生存戦略

空前の売り手市場と呼ばれる、現在の人材市場。2017年春の大学卒業者の就職率は97.6%と、バブル期レベルにまで回復している。一方で「失われた20年」のスタートである1999~2004年に就職活動をした世代(いわゆる、ロストジェネレーション。ロスジェネ)が、30代後半から40代前半であり一番仕事が充実してくる時期である。

だが、有効求人倍率が0.6を切るような就職難の中で活動である。希望の職につけず一旦は進学をしたものの2年後になっても状況が変わらず非正規雇用でうまくキャリアを積み重ねられなかったり、職にはつけたが人材開発や昇進の機会を得られず滞留しているという。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9796.php

その世代がいよいよ40代になり、今後に対して不安を抱え始めている。終身雇用は崩壊し定年まではいるイメージがつかないし、十分な退職金制度もない。社内は「イノベーション!」の掛け声のもと、若手登用ばかりが目立つ。こどもがいる方はそろそろ中学進学を考え始める年頃で、転職するにもタイミングが等々、苦悩はつきないだろう。

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO35643240R20C18A9000000?channel=DF180320167080&style=1&n_cid=DSTPCS001

40代のうちは、自分の出世に限界があることは見えていたのですが、うっすらと「まだ巻き返せる」と思っていました。しかし、50歳を超えるとそんな考えも一気にしぼみました。会社員人生をどう終え、「会社を辞めた後」の人生をどう設計するかについて、がぜんリアリティーが高まってきたのは事実です(54歳、電機メーカー海外事業部担当部長)

では、どうするのか? まずは自分の状況を客観的に認識し、社内評価ではなく市場価値として見てみることが第一。もうひとつが、「会社員=安定」というバイアスを一旦取り払うことが必要である。

会社員生活が長くなると、それだけ「雇用されていること」が常態化し、雇用される以外の働き方の想像がつかなくなります。また、「雇用されていないこと=不安定さ」という確信的な恐怖に直結するバイアスができあがってしまうようです。さらに、日本的な同調のカルチャーも、一匹おおかみ的な生き方や働き方を警戒させるのかもしれません。

起業というとニュースで見るような「世界を変えるサービスをつくる!」や「10億円の資金調達をしました!」のような華々しい側面ばかりが目につくが、実際にはほんの一握りにすぎない(逆に言えば、だからこそニュースになるのだ)。大多数のスタートアップはスモールビジネスであり、地に足のついた事業を長く営んでいる方も多い。

「年収2000万円」と聞けば会社員にとってみれば夢のような話に聞こえるが、「年商2000万円」であれば無数に存在する。毎日出勤している最寄り駅近くの「どうやって成り立っているんだ?」と不思議に見える商店も、年商で言えばこれくらいあるだろう。しかも、ひとりでやるスモールビジネスであれば、これまでただの出費だった費用の一部も経費として処理できる。自宅が事務所であえば、認められる範囲内で「事業経費」として処理ができるだろう。これらを含めて考えると、現金収入として見れば目減りしたように見えても、実際には会社員時代の手取りを上回る効果が得られることも多い。

最近は副業を認める会社も増えてきている。本業の合間に自分になにができるかの可能性を試してみるのもよいだろう。重要なのは「出勤してお金をもらう」ことから「自分でお金を得る手段をつくる」ことである。たとえ1万円であっても、自らの仕事が直接評価されてお金になるという経験は、想像以上にやりがいを感じるものである。この経験は「働くこと」の価値観を一変させられるかもしれない。より自身のスキルやキャリア、時間の使い方を意識するようになるからである。

同じロスジェネ世代の筆者からみなさんに、大きなエールを送りたい。バイアスに囚われず挑戦し続けること。これこそが最良の生存戦略である。共にがんばりましょう!

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