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3ヶ月ぶりのオフライン・ワークショップで気づいた、リアルが持つ2つの強み

博報堂でブランド戦略のコンサルタントをしている岡田と申します。

ブランディングの仕事以外に、ワークショップ形式の研修講師の仕事も多かったのですが、3月中旬以降すべてのワークショップは中止、延期、またはオンライン化になりました。

そんな中、先日(6月中旬)、久しぶりにリアルの場でのワークショップ型研修を行いました。
実に3ヶ月ぶりの体験だったので、色々と新鮮な気付きがありました。
そこで今日は、オフラインのメリットとは何かについて書いてみたいと思います。

なお、今回は久しぶりのオフラインだったので、オフラインならではの良さを語っていますが、私自身はオンライン・オフラインのどちらの働き方も好きです。これからも、フラットにそれぞれの良いところを見ていきたいと思っています。

万全の体制で始まったリアル研修

はじめに、どのような研修だったかを簡単に紹介します。

・某企業の新人研修
・参加者は約15名(5名1グループ×3グループ)
・研修のテーマは「顧客発想力を高める」
・時間は3時間半(13:00-16:30)

毎年リピートオーダーしてくださる企業さんからのご依頼でした。
この企業さんは、今年はずっとオンラインで新人研修を行い、最後の1週間だけオフライン。
そのオフライン週間の初日に私が担当する講座は開講されました。

当然、オフラインで実施する上で、感染対策は万全にとられていました。
例えば、以下のような対策がなされていました。

・入り口で体温管理や消毒
・マスク着用、手洗い徹底
・1部屋10名以内にするため、2部屋に分けて実施
・両方の部屋に、もう一方の部屋の様子がわかるビデオカメラの映像を投影
・机を大きめに設定して、座る間隔を広くとる

とにかくしっかり管理されており、今後、ワークショップなどを開催する際には、きっとこのような対策になるのだろうと感じました。

リアクション大きめ新人

いよいよ、ワークショップ型研修開始となります。
はじめましての新人たちは、全員マスク姿でずらり。
部屋も2部屋に別れているため、サテライト部屋の様子はビデオの映像越しにしかわかりません。
うまくいくのだろうかと、やや不安な気持ちでスタートしました。

ところが、そんな私の不安は、すぐに吹き飛びました。

研修はまず、レクチャーから始まります。
顧客発想力とは何かを、事例などを織り交ぜならが話していると、みんなのリアクションがめちゃくちゃ大きい
サテライト部屋も含めて、大きくうなずいたり、笑ってくれたり、いつもの1.5倍ぐらいの反応が帰ってきます。

私の話がウケているのかなと勘違いしかけましたが、2ヶ月間のオンライン研修を経て、リアクションを大きめに取るという習慣が身についているからでした。

これは、講師としては話しやすく、とても嬉しい状況でした。
毎年、「今年の新人は○○新人」などキャッチフレーズ化されていますが、今年は「リアクション大きめ新人」かもしれません。

最も印象的だった瞬間とは

続いて、20分程度のフィールドワークで、会社の周りを観察します。
その後部屋に戻ってきて、気づいた点をポストイットに記入し、模造紙に貼りながら整理します。

初めてリアル議論、初めてのリアルワークショップ。
うまくいくのかなと、それぞれの班を少し遠くから観察していました。
(オンラインだと、この、遠くから観察するということができないので、ここでも感動しました)

すると、こんな声が聞こえてきます。
こことここって、関係があるよね

見ると、模造紙いっぱいにはられたポストイットの、左上の群と右下のグループに共通した要素を見出したようです。周りのメンバーも大きくうなずいています。2つのグループをつなげる線を記入したり、ポストイットを動かしたりしていました。

私には、この光景がワークショップ型研修の中で一番印象的でした。

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その後、各チームでアイデアを考えて発表したり、振り返りの時間をもったりして、研修は無事に終了しました。

終了後のアンケートを見ると、満足度が10点満点で平均9.5点と高く、私の研修の内容もさることながら、リアルの場で議論できた満足感が見えました。私自身も、久々のリアルの場での研修、足が疲れましたが、心地よい疲労感でした。

リアルの良さは「俯瞰」と「共感」

私が感じたリアルの場で議論する良さをまとめると、「俯瞰」と「共感」です。

まず、「俯瞰」の良さを感じた点について書きます。

講師目線で言えば、リアルの場で行うことによって、各グループの作業を遠くから眺めて、進捗似合わせて進行を変えたり、必要に応じて助けには入れます。
また、参加者目線で言えば、大きい模造紙の全体を眺めることで、「こことここって、関係あるよね」という繋がりを発見することができます。

アイデアは何かと何かの組み合わせである、そんな言葉があります。
俯瞰することで新しい組み合わせが見えてくるとするならば、PCのディスプレイサイズを超えて大きな作業場を持てることは、リアルの良さだと言えるのではないでしょうか。

次に、「共感」の良さを感じた点について書きます。

例えば、自分の話に対してうなずいてくれている様子が見えると、安心します。「こことここって、関係あるよね」と発言した時、周りのメンバーがどう感じているのかも瞬時にわかります。
そのような共感のシグナルが、発言する人に勇気を与えて、さらに踏み込んだ発言へと導きます。リアルならではの情報量の多さが、共感を生みやすくしていると感じました。

アイデアを生み出す作業には、何か正解があるわけではありません。
ときに不安になることもありますが、メンバーの共感や反応が重なることで、より良いアイデアを生み出すことができます。
また、複数のアイデアを1つに絞り込むときなどは、やはりリアルの場が良いなと感じました。

オンラインとオフラインを、意思を持って使い分ける

もちろん、これは現時点での話です。
技術の発達や、私達のツールへの慣れが進めば、俯瞰や共感がオンラインでも実現できる日が来ると思います。
ですので今回の話は、2020年6月時点で感じた新鮮な気付きとして書き残して置きたいと思います。

これから先、どのような働き方になるかは誰もわかりません。
おそらく、オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッドな働き方になるのでしょう。

すでに、週のうち何日を出社にするかを表明している企業も出ています。

会社単位だけでなく、チーム単位や個人単位でも、これからどうするか考える機会が増えるのではないでしょうか。

そんな時、周りに合わせて、なんとなくオフラインに戻そうとか、なんでもオンラインで済まそうとするのではなく、目的に合わせて使い分けられるようになりたいと思います。

今回の気付きとしては、「俯瞰」や「共感」が必要な時には、場合によってはオフラインで実施するという選択肢もあるな、ということでした。

これからも、自分の体験を通じて、何がオン・オフそれぞれに向いているのか、なるべく考えて言語化していこうと思います。

※noteにする前の考えを、Twitterで発信しています。


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博報堂ブランド・イノベーションデザイン局 ディレクター/ ブランディングやマーケティングが専門です / 大学院(博士課程在籍)でユーザーイノベーションを研究中 / 日経新聞COMEMO / 多摩美術大学(非常勤講師)/ もつ鍋と酢モツが好きです

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