SNSは、承認欲求を満たすものでなく明るい未来へ導いてくれるツールになるという予言

こんにちは。オンラインショッププラットフォーム KATALOKoooを運営しています、翠川です。約3ヶ月も間が空いてしまいました…。3ヶ月間何をやっていたかというと、大きな変わりはないのですが個人的にはClubhouseの登場にかなり揺さぶられました。1月末に「ウェイウェイしてない私たちのためのClubhouse利用法」という投稿も書いたのですが、3ヶ月間どっぷり使ってみた Clubhouseの醍醐味は、偶然そこに居合わせた人たちの「集合知」を得られるというところだと断言できる。"リアルで会えない今だから雑談アプリ"と当初いわれてましたが、リアルではすでに関係性のある人としか集まらないけど、Clubhouseはそこに居合わせたってだけで決まったトピックをいきなり話し始められるし、モデレーター次第で途中で Move to audienceもできるので忖度せずどんどん意見を聞いていくことができる。

物心ついてからインターネットにつながる体験をしたことがある人は、「これでいつでも世界中の誰とでもつながれるんだ…!」と稲妻が走ったことがあると思うんですが、実際は「匿名」「文字でのやりとり」が主であり、いつでも誰とでも、というわけではなかったなと。一方通行と一方通行だったやりとりが、各SNSで「リアル」の「ネット上の繋がり」両方存在している上でClubhouse がはじまり、ルームを開いたらすぐ誰かとオンラインで話せるというのは、本当の意味で世界中の誰とでもつながれる感覚というんでしょうか。出会いようがなかったけど世界にはまだまだすごい人っている。楽しい。

過疎ってるといわれても、このSNSはなかなか深いので、無くならないと思いますよ。最近会う人にだいたい聞かれる、「翠川Clubhouseめっちゃやってるみたいだけど、ぶっちゃけどうよ?」という質問の答えです。音声SNSを、TwitterもFacebookも提供し始めてるんだからそういうこと。

思いっきりClubhouse中心に書き始めましたがこの投稿では、この1月からかなり変わってきたオンラインでの雰囲気を、特にSNSにフォーカスして書いておきたいと思います。

作り込まれたものへの拒否感

Z世代の方達とSNSについて話したときに聞いたことがあまりにも方向性を示していました。特にInstagramについての話だったのですが、

IGは、ストーリーズだけアップするし、見る。
IG投稿はしない。あまり見ない。
フォローしている人が「友達のブランド」と紹介してる投稿と紐づいてるアカウントは見る。
とにかく「#PR」が付いてたらドン引き。
TikTokは#PRとか見かけない。投稿する側もみんな相当敏感だと思う。

という意見。要するに、PR、作られた広告、作り込まれた投稿への拒否感が半端ない、という話でした。

作り込まれた画像より、完成度の高いテレビ番組より、毎日アップされるラフな動画の方が面白い。YouTuberが、常に動画をまわして即編集して毎日配信していて嘘つく方が難しい状況が出来ている。ライブ配信は、コンテンツとしての精度が低くても、得られる情報が少なくても、繋がっている感や信頼できる感じがして人が集まってくる。という流れの延長線上に登場したのが、Clubhouse をはじめとした音声SNSであるように思えてなりません。既存のSNSの成熟によって生まれた違和感に反発する流れはもう止められない。

既存SNSはプロフィールの定番という道へ

既存のSNSありきの後発サービスであるClubhouse は、他のSNSとの共存がそもそもの前提で競合する気がないところもいい感じです。プロフィールにTwitterやInstagramを連携させることでかなりシンプルな作り。

Twitterも、Instagramも、作り込めるから信頼できない?!という流れではあるものの、一方で、それなりの期間その人の投稿を遡って見ると為人がわかってくるわけで…プロフィールとして、関係性を作りたい人かどうかの重要な手がかりになるのは間違いないです。

集まっているフォロワーとのやりとりを見ると、その人が何を欲しがってる人なのかもわかるという怖い話も。そういう目で見るとびっくりするほど色々な情報が拾えるプロフィールことSNS、になって来ました。

「SNSにはまる人は、自己承認欲求が強いだけ」「自慢したいことある人だけ投稿する」のようにSNSを捉えてる人は誰ですか?!いつの間にか、そんな時代はとっくに終わりを告げ、自分を知らせ他人を知り関係性を作って、未来を作っていくためのツールになりつつあります。

個人/組織のインスタは明らかに区別すべき

色々な投稿でここのところ、「モノは人で売れる」ということを書いてきました。(インフルエンサー新時代のはじまりの風は、もう吹いてる/21年1月・ウルサス時代も、賢い人はモノに恋するのをやめない/19年10月)

Instagramは、インフルエンサー、デザイナー、発信する人の「その人の視点」に関する投稿しか勝たん状況に拍車が掛かっています。企業では、車内にカリスマになりえる資質を持つ人がいるなら祭り上げる、いないならインフルエンサーの力を借りる以外勝ちようがありません。

また、ブランドや企業のSNSにファンが求めるものも、変わりつつあります。フォロワーが、組織のIGに求めているのは、「特性の表現」「コミュニケーション」です。ブランドが、作り込んだ世界観を見せてフォロワーを集める時代はもう終わり。世界観は、デザイナーをはじめとした「人」の思考の一部として見たいとフォロワーは思っていて、企業やブランドという集合意識として特性をうまく伝えることができているブランドのSNSだけが勝っている雰囲気を感じます。

各SNSの成熟期を見逃すなかれ

各SNSが成熟してきたから、反動も含めた変化や、新しい展開が生まれるわけです。何が言いたいかというと、「いつまでもあると思うなInstagramのピーク」ということ。

弊社でも、インフルエンサーと言われる方達の力を借りた企画をしているので、「プロダクトで勝負したいからインフルエンサー企画は今はまだいいかな」という声があったりするんですが、これは本当に大きな声で言いたい(というか言っている)!勝負できるプロダクトを持ってるブランドや企業は、同時進行で今出来る手を使わない選択肢はないですよ。プロダクトが良いからこそ、今成熟してるInstagramを使ってやるべき。まだ、って言ってる間に、時代が変わっていってしまうことだってあり得る。

細かい話ですが、URLがついている投稿を著しくハイライトしないAIになっているIG/fbです。今後、facebookコマースマネージャーでしかショッピングのリンクを作れないようになる…なんていう変更がされるかもしれないですし(手数料がかかる)、時代が終わってから泣いても、遅い。

SNS上で人柄勝負させられる時代がきた

既存のSNSが成熟することで、それぞれのSNSの特徴にあった「コンテンツ軸」の投稿をよしとする風潮が加速し(Twitterで趣味のアカウントで仕事のことを呟くとフォロワーが減る、みたいな話)アカウントが分断されていたのが、嘘をつけないSNS=人柄で勝負するSNSが登場することでより「人軸」になる気配が高まってきました。

「人軸」でついたフォロワーには、その人まるごとの発信を求められるようになるというわけです。これはおそらく、「垂れ流すことに躊躇がない人が勝つ」という流れだと思います。今までも、IGのインフルエンサーがキリトリ線のようにストーリーズを更新し、ライブ配信を定期的にする人にエンゲージの高いフォロワーが多いのと同じ状況だと思います。要するに、シェア癖がある人がフォロワーを集められるということ。

これは悪いことではなくて、そんな頻度で嘘ってつけないですから、正直な情報が増えるということ。これはすなわち、情報発信が苦手な人からしても、良いこと=正直者が馬鹿を見ない時代なのでは?!と希望的に感じています。

例えば、工芸の職人さんが話していて、可愛らしい話してたりすると好きになってしまって作品にも俄然興味が湧いてくるんですけど、そんな他愛もない話は、ビジュアルありきのInstagram ではできなかったと思うんです。嘘つけない人には追い風が吹いてる。

魅力的な人柄であればあるほど、直接あったときに近い状況を作れるようになりつつある、いい時代がきている気配があります。

正直者がバカを見ない時代その後

前もこんなことを希望的観測で書いていたのが実現してきて嬉しいので、その先の話も書いておきたいのですが、Substackといういうサービスがある。

noteが色々あって(私もまだ投稿してるわけですが)、移行先として候補になっているメールマガジンサービスです。フォロワーは、月7ドル/年70ドルで、有料記事なども含めて読めるというサービスです。課金してくれる読者が500人以上いたら、それだけで食っていく方向を考えられる。Substackでは、対価を得るものは文章そのものになるけど、そろそろ、「もの」の対価としてお金が払われるんじゃなくて、「アイディア」「情報」の対価としてお金が払われて、その人が成り立っていくみたいな時代が来てる感じがします。ソーシャルコマース、ライブコマース、エモーションコマースのその先という感じでしょうか。

さらにいうと、7ドルってスタバのコーヒー2杯分で、何記事に対していくらという感覚ではなく、その人が安定して活動できるなら何記事でもいいかな、という気持ちになるので不思議です。これに至っては、「コマース」というワードも離れそうな概念。

ついでに言うと、ブランドとかも、個人に課金してもらって、フォロワーからの課金で作品を発表し続けられるみたいな仕組みができていったらいいなと思っています。そういう新しい経済圏を作ることを仕掛けたいとずっと思っています。興味ある方は、noteにもサポート機能があるので、課金してくださっていいんですよ笑。今は「投げ銭」といわれているこの分野とても興味があります。

最後の希望的観測部分、あり得るんじゃないかと思ってます。皆さんの肌感はどうでしょうか?私も各SNSやってますので、是非意見交換しましょう!

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KATALOKoooのポータルサイトでは、識者にインタビューなどしたりしています。かなり前に、ライターの佐久間裕美子さんにインタビューした記事でも、「シェア癖」の話をしたりしてました。

Twitterでは、日々の気づきをメモ的に呟いたりしています。

Instagramは日記です。
https://www.instagram.com/midorikawasemi/

Clubhouseかなりやってるんで声かけてください!
https://www.joinclubhouse.com/@midorikawasemi

サポートいただけたいた方は仲間と思って日々精進しようと思います。とりあえず、ビールを買って乾杯させていただきます。