
ビアリーに学ぶ新カテゴリーを創造する発想
家で過ごす時間が増え、我が家の冷蔵庫には「ビアリー」が詰まっています。
アサヒは、ビアリーの需要拡大に伴い生産ラインを拡大させているようです。
投資額は5億円で、9月下旬に着工する。ビアリーは現在福島工場(福島県本宮市)で生産しており、吹田工場に新たに設備を導入することで生産能力を倍増させる。6月29日に発売する華やかな香りが特徴の新製品「アサヒビアリー 香るクラフト」の生産も両工場で担う。
ビアリーは、「微アルコール飲料」という新カテゴリーを社会に定着させたブランドと捉えることができます。少なくとも、我が家には定着しています。
そのプロセスを読み解くことは「マーケティングの仕掛け方のヒント」につながるのではないかと考えています。
戦略インサイトのフレームワークを参考に
新カテゴリーを創造する考え方のヒントを得るのに「戦略インサイト」の書籍がわかりやすく、フレームワークを参考にさせて頂いています。
戦略インサイトの書籍で紹介されているフレームワークはこちら。
自分が整理しやすいようにメモを付け加えています。
①顧客が心から求めていること
②企業・商品ブランドの独自性
を結びつけて
消費者の「これが欲しかった!」を生み出す
ビアリーも、アルコールを無理して飲んでいた人、アルコールを飲む量を抑えたかったけどつい飲んでしまっていた人(自分みたいな人)にとって「これが欲しかった!」と言えるものになっていると考えています。
上記の戦略インサイトのフレームワークを元に整理してみました。
戦略インサイトのフレームワークを元にビアリーを整理
前提となるターゲット
・日本の20~60代の人口約8千万人
・約4千万人が「酒を飲めない」、あるいは「飲めるけど飲まない」層
①ヒューマンインサイト
酔い過ぎずにリフレッシュしたい、気分を変えたい。
②カテゴリーインサイト(アルコール飲料)
飲みたいけど、体調を崩したくない。健康のことを考えるとアルコールを抑えたほうが良いけど、つい飲んでしまう。
③キーインサイト
ノンアルコールビールでは満足できなく、アルコール飲料では身体への負担が大きく、罪悪感も感じてしまう。
④プロポジション
シーンによってお酒を使い分けることができる「スマート」なお酒。
スマートドリンキングや、微アルなどの言葉を創り出し、第一想起獲得。
⑤製品特徴
ビールを醸造してから、アルコール分のみをできるだけ取り除く製法によって、100%ビール由来原料ならではの麦のうまみとコクを実現。
⑥ブランド資産
アサヒの「挑戦と革新」のコアバリュー。
アサヒが長年ビール市場で築き上げてきたブランドイメージ。
フレームワークで整理してみると、ビアリーがヒットしているのは、
①顧客のインサイトを捉えている
②アサヒが積み重ねてきたブランド資産や生産技術への先行投資
の2つが重なり合って生まれていることが理解できます。
マーケティングの仕事は、「顧客視点⇆企業視点」を往復して考えることの重要性を再確認することができます。
ぜひ、ご自身が考える「新カテゴリーを生み出したブランド」を戦略インサイトのフレームワークを元に整理してみることオススメです!
新たな市場カテゴリー開発のためのチェック視点
さらに、新たな市場カテゴリーを生み出すためには、3つのことが大切だと考えています。
この3つの視点でブランドが開発した顧客の認識や行動をチェックできると、「新しい市場カテゴリー開発のポイント」に対する理解が深まると思います。
✔︎新たな状況が開発できているか?
✔︎新たな意味が開発できているか?
✔︎新たな習慣が開発できているか?
ビアリーは、この3つを全て押さえているから、顧客の生活に根付きはじめていると考えられます。
ビアリーの場合
①新たな状況の開発
仕事をしながら、趣味の時間を過ごしながらなど、自分の好きなシーンに合わせて
②新たな意味の開発
罪悪感の少なさ
③新たな習慣の開発
毎日飲み続けることができる美味しさと、身体への負担のなさ
まとめ
マーケティング思考を磨くために取りたい3つの行動
①新しいカテゴリーを生み出してみる商品ブランドを使ってみる
②戦略インサイトのフレームワークを元に分解してみる
③3つの視点でブランドが開発した顧客の認識や行動をチェックしてみる
まずは、ビアリーを飲みながらマーケティング思考を磨いてみてください!
最後まで読んでくださりありがとうございました!