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ところでドイツで漫画は売れているのか?

Kataho@フランクフルト

フランス政府が若者に無料配布した「文化パス」が注目されています。

文化を楽しむために配布したクーポンが漫画購入に使用されているそうです。

およそ「ヨーロッパで漫画やアニメが人気!」とメディアで報道される時は、フランスが多いのは薄々皆さんもお感じではないでしょうか?

「ねとらぼ」ではパリの書店に取材し、現地での漫画の人気を伝えています。

物の見方について考えてみませんか?

ここで筆者が注意を促したいことがあります。フランスが取り上げられる時はフランス1カ国ばかりが取り上げられており、他の欧州諸国には関心があまり向けられていないように思います。例えばドイツ。

ドイツとフランスを比較して、「○勝X敗でフランスの勝ち!!」などと物事を単純化、矮小化し、優劣をつけたいのではありません。漫画は世界中で読まれています。欧州各国にもたくさんの読者がいます。

物の見方、考え方といった場合、往々にして「複眼的な」視点の大切さが説かれることがあります。例えて言えば、「フランスで漫画が人気なのであれば、隣国のドイツではどうなのだろう?」という問いがあれば、複眼的といっていいかもしれません。

というわけで、ドイツでは漫画は売れているのでしょうか?

前置きが長くなりましたが、今回はドイツの書籍業界団体の情報を拾い読みしてドイツの事情を読者の皆さんに提供したいと思います。

まずは少し前の2018年のドイツにおける漫画市場の概況です。

日本のコミックスは過去2年間にわたり販売数は微減だったが、販売額の緩やかな上昇により売上高は上昇に転じたという報告があり、

・ 漫画の売上高は約4000万ユーロを達成する見込みで、

・ 駅ナカ書店の総売上高の4/5強を占めた、

らしいです。太字で示した2点はドイツの漫画市場を考える上で非常に興味深いデータだと思います。(原文で読みたい方はこちらをどうぞ↓)

次に最新の統計を参照してみましょう。

フランスの『アステリックス』に代表されるコミックやドイツのグラフィックノベルなどを含めた広義のコミック市場では、2020年の売上高は1億8500万ユーロだったそうです。

このうち日本の漫画の割合はどれくらいだったのでしょうか。残念ながら個別のサブカテゴリの売上高には言及されていませんでした。ただ、非常に気になる数字も。

2020年の漫画市場の売上高は17%拡大した、

そうです。これはかなりの成長率です。背景には過去5年にわたり刊行数が増え続けたこと、新タイトル数に限っては倍増したことが拡大に貢献していると説明されています。

つまり、言ってしまえばドイツでは近年、漫画が「出せば売れる」状況が続いているようです。(原文で読みたい方はこちらをどうぞ↓)

ドイツで出版される漫画とは?

「出せば売れる」という表現は乱暴ですが、業界大手のカールゼン社は今年、新レーベル「Hayabusa」を起ち上げ、若い女性読者を新たに定義づけし、続々と新タイトルを発表しています。(「Hayabusa」の公式サイトはこちら↓)

また、コミック出版社のdani booksは今年4月、新たに漫画マーケットに進出を決定しました。第一弾として『オヤジが美少女になってた話』(赤信号わたる)などのタイトルを発表しています。(実はドイツでは最近VTuberが注目されています。ご興味がある方はこちらもどうぞ。)

まとめ:ドイツのすすめ

今回はここまでとなります。フランスの漫画人気を知ればついでにドイツも知ってもらおう、という言ってしまえばただの便乗です。しかし、広く各国の事情を仕入れておけばより客観的に物事を分析できるのではないでしょうか。おすすめします。

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訂正(6月30日):
誤)駅ナカ書店の総売上高の1/5を占めた、
↓   ↓   ↓   ↓
正)駅ナカ書店の総売上高の4/5強を占めた、

おまけ:ドイツの漫画ランキング

もう少し人気作品の具体例が知りたい!という方にこちらのランキングを紹介しておきます。

2020年の書店売上高別による(広義の)コミックのランキングです。

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(出典:ベルリンの新聞『デア・ターゲスピューゲル』が報じた今年5月19日付の記事。)

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タイトル画像は「みんなのフォトギャラリー」から拝借しました。

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