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AIと共存するために必要な「脳の筋トレ」

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

しばらく前から続いていた機械学習ブーム。ここにきてLLM(Large Language Models / 大規模言語モデル)と呼ばれる言語モデルをベースにしたキラーアプリケーションが登場しました。いわゆる、生成AIです。この新技術は私たちの仕事のあり方を一変させる可能性があると言われています。

米ゴールドマン・サックスは3月、生成AIが経済や雇用に与える影響をリポートにまとめた。それによれば、AIが普及すると労働生産性が上がり「10年にわたって世界のGDPを7%増加させる」という。半面、「生成AIは(世界で)3億人のフルタイム雇用に相当する仕事を自動化する可能性がある」とも指摘した。

つまり、飛躍的な経済成長が見込まれる一方で、雇用が不安定になりかねない。今まさに、人類は変革期に足を踏み入れつつある。

日経電子版

半年ぶりに姿を見せた孫正義氏。株主総会では「AI革命」により反転攻勢をかけると力を込めました。

ビジネスとしては大きなチャンス到来のように見えますが、一個人としては自分の仕事がAIに代替されてしまうのではないか?と不安に感じる方もおられるでしょう。すでに単純な作業はExcelのマクロであったり、RPAなどにより自動化が進んでいます。この流れは今後さらに加速する見込みです。

一方で、人間の知性とは単純作業のことではありません。人が持つ「知性の核心」については安宅和人氏が2017年に発表したHBR上での論文をぜひ一読いただければと思います(ご本人がイベントで要旨を発言している記事も貼っておきます)。

どうも最近の言説を見聞きするに、知能と知性が一緒くたになっているように感じます。まさにこの点を明快に解説しつつ「人工知能(AI)と共存するために、どうやって人間知性(HI)を鍛えればよいのか?」について重要な示唆を与えてくれる本と出会いました。6/30に発売で予約受付中ですが、著者の安川新一郎氏のご厚意により先に読ませていただきました(献本ありがとうございました)。

さて、知能と知性との違いはなんでしょうか? 以下に本書からの引用を紹介します。

「知能」とは、明白な答えがある問に対して、素早く適切な答えを導く能力

本書 P27

「知性」とは、明確な答えがない問いに対して、その答えを探求する能力

本書 P29

「知能」についてはAIに代替される可能性が高いと、本書は指摘しています。そもそも計算ではすでにコンピューターに到底かないません。それどころか、人間以外の生物の知能が部分的に人間を上回ることはすでに様々に存在しています(犬の嗅覚等々)。

このような視点で巷に蔓延る「AI脅威論」への一線を引きつつ、人間のみが持つ知能/知性について科学的根拠を明示しながら解説は進みます。そして本書の核心である「脳を鍛えるトレーニングメニュー」に話題が移ります。

本書では、スポーツにおけるアスリートのように、持てる知能と知性を最大限に発揮し、結果を残し、自身の人生を成功に導く人のことを「ブレインアスリート」と呼んでいます。アスリートが身体トレーニングをするように、脳を鍛える方法があるようです。ここでは20のトレーニングメニューを紹介すると共に、それらを6つのブレインモード(運転様式)にカテゴライズしています。

特徴的なのは、どの解説も具体的で実用的なのですが、それぞれについて科学的根拠から生命学的見地、歴史・心理学・神話や宗教などを縦横無尽に飛び回っているところです。身体・心・デジタルを総合的に捉えてフレームワークに落とし込むという荒業をサラリとこなしながら、読み手の知的好奇心を大いに刺激してくれます。

世に溢れはじめた「ChatGPTの使い方」的な本を読む前に、ぜひ本書を手にとっていただきたいと強く思いました。オススメです!



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※ タイトル画像提供は筆者撮影


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