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「好きなことを仕事にしたい」人に知ってほしい、たった一つのこと

皆さんこんにちは、高木です。

「好きなことを仕事にしたい」は永遠のテーマですよね。

最近ノーベル物理学賞の受賞が決まった真鍋淑郎さんも、「アメリカでは自分の研究のために好きなことができる」と発言しています。これを聞いて、改めて「自分も好きなことをやりたい」と思った方もいるのではないでしょうか。


「好きなことを仕事にする」のハードル

皆さんは、「好きなこと」というと何を思い付きますか?

「服が好き」、「料理が好き」、「海が好き」、「サッカー観戦が好き」。色々な好きがあるでしょう。

自分の好きなことが仕事にならないかな、とは誰でも一度は考えることです。なかなか、その「好きなこと」を仕事にする方法が分からなかったり、好きなことを扱う会社に入ったとしても、ちょっと期待していたのと違うんだよなー、ということもあるかもしれません。

例えば、服が好きだから服販売の仕事に就いたら、簿記の仕事もあるし、仕入れ先との交渉もしなければならないかもしれません。料理が好きと言っても、飲食店で働けば皿洗いもあれば、店舗の清掃やメンテナンスもあります。要するに、好きじゃない仕事も漏れなく付いてくる問題

また、海を眺めたり、スポーツを観戦するといった、どちらかと言えば受動的な趣味が好きな場合、それを仕事にする方法をなかなか思い付かないかもしれません。これは、仕事にする方法を思いつかない問題

こういった理由で、「それほど好きではないけど稼ぎの良い仕事」で我慢しているという方も多いかもしれません。そのフラストレーションから、冒頭の「好きなことを仕事にしたい」という、永遠の願望に繋がっていくのでしょう。

好きなことを仕事にするために必要なもの

それでは、好きなことを仕事にするのはやっぱり難しいのでしょうか。私はそうは思いません。好きなことを仕事にするためには、ひとつだけ必要なものがあります。

それは、ズバリ、探求心です


例えば、服の販売であれば、どうディスプレイしたら売り上げがどう変わるか?どう声掛けしたら顧客に買ってもらえるか?売り上げのデータから何が見つかるか?仕入先が気持ちよく交渉に応じてくれるためのコミュニケーション術は何か?などなど、たくさんの探求ポイントがあります。

料理だったら、作った料理をどう盛り付けたら美味しそうか?写真を撮るならどの角度か?最速でお皿を洗える方法は?お店の壁の色はどんな色だと良いか?こちらも色々探求ポイントがあります。

探求していくと、ますますそのことが好きになるし、好きの「持続力」にも繋がります。また、それほど好きじゃなかった付随業務にも面白さを見出すことができるかもしれません。

究極の姿はフロー状態

こうした探求プロセスの究極の姿が「フロー状態」です。

世界的な心理学者、チクセントミハイによると、フロー状態になるためには3つの条件があります。

・目標が明確である
・迅速なフィードバックがある
・スキルとチャレンジのバランスが取れている

こうした条件を満たすとき、人はフロー状態になります。そこでは集中力が増し、我を忘れて没頭できる、気持ちの良い状態になります。そして、「その行為自体のほかに成果はない」(同書)状態になります。つまり、それをやること自体が目的であって、お金や昇進のためではなく、純粋に好きでやっているということです。

おまけに、フロー状態ではフィードバックと改善のループが高速に回るため、そのことがどんどん上手に、詳しくなります。それによって、人にとっても価値のあるものになり、仕事につながる可能性が高くなります。

探求心を上手くフローまで持っていくためには、フィードバックができるだけリアルタイムに得られるよう、目標を細分化していくのがコツです

例えば、今書いているこの原稿で言えば、どれくらい「いいね」が付くかは、数日単位でしかフィードバックが確認できません。でも、自分なりに、この文章のリズムがいいかどうかは、読み返しながら書くことで、もっとリアルタイムでフィードバックを得ることができます。

おそらく、成功したスポーツ選手に「好きなことをやってきた」と言う人が多いのは、こうしたフィードバックのサイクルを短く設定できるからかもしれません。トライしてはフィードバックがある。そのサイクルが猛烈なスピードで回ることで、フロー状態になる。だからそのスポーツが好き、という順番です。

ちなみに冒頭で紹介した、海を眺めたり、スポーツを観戦するといった受動的な趣味の場合は、ブログやTwitterで発信するという方法があります。毎日の海の状態を、写真とともにメモして発信することで、SNSにおけるインプレッションやいいねの数といったフィードバックを得ることができます。

フィードバックに基づいて改善していくというループを回すことで、探求のプロセスに入っていきます。しかも、「いいね」が増えるということは、発信した内容が、どんどん人の役に立つ情報になって行くということです。受動的だった趣味でも、人にとって価値あるものに転換していく。そこが仕事への入り口です。

何をやるかより、どうやるか

ここまでくると、対象が何であれ、探求心を発揮することで、好きになることができる場合もあるでしょう。

単純に、「好きなことをやりたい」というだけだと、仕事になったとたんに「好き」が持続しない可能性があります。むしろ、それを探求するプロセスを楽しむようになれば、単純な「好き」もより深く、長く、楽しむことができるようになります。また、探求心を発揮することで、今やっていることをもっと好きになる場合もあるかもしれません

ちなみに、探求心を発揮したり、フロー状態になるための考え方のガイドや、環境というのもあると思っています。そのためにデフレーミングインターネット・オブ・プレイスの研究をしていますが、そのことはまた今度。

これを読んだ皆さんが、好きなことを仕事にすることを実現し、あるいは今やっていることをもっと好きになり、それを長く楽しめるようになることを願っています。


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