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令和日本のベンチマーク先をスイスやフィンランドと捉えてみるのはどうか?

平成最後のnoteなので、少し大きなテーマで書きます。

令和の日本はどこに向かっていくのか?

日本はどこに向かっていくのか?

日本はどのようなポジショニング戦略をとるのか

を考えていきたいと思います。

日本のベンチマーク先はどこか?

日本の比較対象として、最初に出てくるのが「アメリカ」や「中国」といった国々ではないでしょうか?

シリコンバレーから学ぼう、次は中国の深圳だ。
Facebook、Googleから学ぼう、次はアリババやテンセントだ。

日本が学ぶべきはアメリカや中国なのか?

個人的には、学べるものは学んだ方が良い。

けど、もっと良いベンチマーク先があるのではないかと考えています。

ではどこをベンチマーク先としておくのか?

スイスorフィンランドはどうでしょうか?

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理由は自分が好きな国だからです(笑)

ちゃんと理由も書きます。

人口が限られている中でも
イノベーションを生み出し続け
一人一人の労働生産性を上げ
さらに福祉や公共サービスのレベルをあげることで

国民の豊かさを生み出すことにチャレンジしているからです。

▼人口について
・スイスの人口は842万 (2017年)
・フィンラントの人口550.3万 (2017年)
・東京の人口は1.3億

なので、東京都より人口規模だとスイスやフィンランドは小さい国なのです。

世界経済のネタ帳から、世界の一人あたりの名目GDPランキングを見てみると、小国でありながら2国ともに経済成長してきていることがわかります。

一人当たりの名目GDPを見た時に、日本は26位となっています。

スイスは2位、フィンランドは15位

日本の一人あたり名目GDPをみると、バブル後に成長していないことがわかります。

▼スイスのGDP推移

▼フィンランドのGDP推移

出典:世界経済のネタ帳

スイス、フィンランドの2カ国は小国ながらGDP推移をみると、順調に経済発展していることがわかります。

国土も人口も限られた小国でありながらも競争力をつくってきた2カ国は何をしているのか?

産業政策の視点から日本が学べることをトレースしていきます。

スイスの産業政策から学べること

スイスは国際競争力ランキングでは1位、イノベーション大国です。

アルプスに囲まれた国のスイスは、イノベーションへの投資を成果につなげることで、ランキングのトップまで上り詰めることができました。スイスはとても小さな国にもかかわらず、国民1人あたりの特許出願数では突出した数字を残しています。また、安定して質の高いイノベーションを起こし続けており、この項目では日本もおよばない結果を残しています。 さらに、スイスは研究開発への投資額と国内の大学教育の質の分野でも世界をリードする存在のひとつとして数えられています。

スイス特徴①:グローバルに競争力がある企業・産業を生み出す

スイスでは、企業はグローバルに競争力があることが大前提。
競争力がないと判断された中小企業は廃業を促す仕組みがあるようです。

競争力のない中小企業は国が無理に支えない→その分はチャレンジしやすい環境づくりをしているということです。

「中小企業」というと、地元市場に根を下ろした企業と考えるのが一般的だ。しかしそれは様変わりした。フリブール経済大学の研究によると、スイスでは国内市場の停滞に伴い中小企業の国外進出が進んでいる。

スイス特徴②:イノベーションエコシステムを形成している。

多言語国家の突出した国際性と産官学による優秀な人材、ETHなどの優れた大学・研究機関での整ったリサーチ&開発環境。加えて生活水準の高さ。さらに低い法人税率、資本参加免税制度など企業および個人にとって有利な税制度を導入している。その結果、世界経済フォーラムによる「国際競争力ランキング2013-2014」でスイスはNo.1となっている(日本は9位)。

外国企業がスイスに本社や研究機関をもち、イノベーションがスイスを起点に起きやすい仕組みを構築している。

スイス特徴③Swiss madeは高付加価値の象徴

スイスはスイス時計で有名ですが、Swiss madeには厳しい基準が設けられている。

この厳しい品質基準を満たせる産業を生み出し、高付加価値の商品をつくり、グローバルに販路をつくるマーケティング思考は、日本も見習うべき点が多いと感じています。

フィンランドの産業政策から学べること

続いてフィンランドについて分析していきます。

フィンランド特徴①スタートアップ投資

フィンランド政府のイノベーション力は、ノキアが経営危機に陥った時に、スタートアップ支援へ切り替え産業構造をダイナミックに入れ替えたという話から強く感じます。

ノキアの最盛期は国の研究開発費のうち43%が投資されていた。

iPhoneの台頭により、国の経済を支えていたノキアの経営が傾きかけた時も、国は延命措置は取らず、その結果元ノキア社員によるスタートアップが1,000社近く生まれているとのこと。

ノキア衰退を機に、大企業への一極集中投資がリスク高いと気づき、すぐに産業ポートフォリオを入れ替える判断をする。

ノキアが衰退したことを逆手にとってスタートアップが生まれる環境をつくったフィンランド政府の政策は素晴らしい!

フィンランド特徴②教育と産業が連動

フィンランド式教育メソッドが日本でも普及しているように、フィンランドは教育大国です。

下記の記事に詳しくありますが、特徴を抜粋すると、

・教員の質が高い→教育の質が高い
・産業政策と連動してカリキュラムが作られている
・プログラミングが必修化
・マインドマップが教育に使われている

など、ユニークでロジカルな教育が行われています。

フィンランドはデザイン教育も国として力を入れているようで、フィンランドでデザインミュージアムに行った時は感動したのを覚えています。

フィンランドは北欧デザインの象徴として世界で認知を獲得しています。

デザインとテクノロジーの力で付加価値をつけて、海外の市場シェアを獲得する。

この視点も日本が学べる点が多いと感じています。

まとめ:スイスとフィンランドに共通していること

スイスとフィンランドの共通点を整理します。

・産官学連携でイノベーションを起こす風土と仕組みがある
・グローバルに競争力のある企業を国が支援する(逆に競争力ない企業に対してはシビア)
・海外の優秀な人や企業を積極的に誘致する
・教育がイノベーションのボトムアップを促すという発想をもつ
・教育⇆産業が連動している

小国でありながらも国際競争力を高め、かつ国民の幸福(福祉環境の充実には如実に表れている)に現在進行形で取り組んでいる。

令和時代の日本は、スイス、フィンランドもベンチマークしながら、世界に誇れる国や企業をつくっていきたいですね!

小規模の国だけど高付加価値のサービスを生み出せる国。

その国を支えるのは、マーケティング力、デザイン力なのだと自分は考えています。

個人的には、一人一人のマーケティング思考、デザイン思考を強化していくことに貢献できるよう、ノウハウ開発、コミュニティ運営などなど全力で頑張っていきます!

平成最後のnoteは以上です!