【日経新聞連動テーマ企画】#人材を見抜くには こんなご意見いただきました
日本経済新聞編集委員の石鍋です。企業にとって、いい人材を採用するのは重要かつ困難な課題です。新卒の学生、中途入社組、経営のパートナーなど、仕事の仲間としてふさわしい人材か限られた時間で判断しなければなりません。「人材を見抜くには」をテーマに、こちらのnoteで意見を募りました。
「この面接が始まってから、私に何回ウソをつきましたか」。Preferred Networks執行役員CMO、富永朋信さんは面接の途中で、こう聞きます。周到に準備を経て、面接の場だけ快活に振る舞う採用候補者などの心の防御を切り崩す技だそうです。
「ECエバンジェリスト」を名乗るエバン合同会社の川添隆さんは、「場がほぐれて話が盛り上がっているタイミングで、お茶を出してもらう」そうです。この時の受け方で、その人の本当の姿が浮き彫りになるといいます。
フリーランスパラレルワーカーのRicaさんは会社員時代に、人事担当で新卒の採用にも携わりました。「面接の部屋に入る前の応募者の様子のチェック」が仕事だったそうです。面接が終わった後で、面接を受ける前の様子を面接官に伝え、評価を擦り合わせていました。待つ間と面接中で、言動のギャップが大きい学生も多かったといいます。
また、投稿の中で目立ったのは、採用する側の事前の準備が大事だという意見でした。自分たちは、どんな人材がほしいのか。きちんと整理して言語化し、面接を行う社員などで共有しておく。さらに学生など応募者の側にも明確に伝えておく。そうすれば、見当外れの自己PR、腹の探り合い、採用後のミスマッチなどで悩むことが減ると考えます。
採用活動の時だけでなく、ふだんから双方向のコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、個人と組織がお互いを理解しておく。そうした積み重ねが、遠回りのようで、結果的にいい採用につながるという意見も複数、寄せられました。
人柄やコミュニケーション能力など、これまでの日本企業の人材採用は、基準が曖昧な部分が目立ちました。しかしIT(情報技術)人材などを中心に、期待する職務をきっちり事前に示し、スペシャリストを求める欧米型の採用に移ろうとする動きが見られ始めました。現在の新型コロナウイルスの感染拡大で、オンラインの会社説明会や動画による面接を取り入れる企業が増え、期せずして企業の採用活動は大きく変わろうとしています。ネット経由のやりとりでは、空気よりロジックが重視されます。学生などの応募者はもちろん、採用する側にも、今後は新たなスキルが求められると思われます。
このほか、「#人材を見抜くには」というテーマには、以下のような投稿をいただきました。投稿者の皆様にお礼申し上げます。