出島組織が集まる「出島組織サミット」を、本家である出島にて開催します。 ~一言切り抜きfrom日経#254
出島組織って言葉。
結構長い間普通に使っていたし、よく聞くと思っていたのだが、実はまだ認知度 33%程度なので、あまり世の中的に知られていない前提として、書きます。
では、改めて。
出島組織、出島戦略、という言葉を皆さんご存知でしょうか?
口に出していうと、デジマ=デジタルマーケティング、と間違われることもあるのですが、そっちではありません。
出島のように、本体組織から少し離れて、新しいことに取り組んだり、交流を促しやすくしたりする、小さく外に出た組織のことです。
僕は、電通勤務時代、2009年にビジネスデザインラボというクリエーティブ局の新規事業部に異動した時に、「出島みたいだね」と言われてこの概念と出会いました。
また、2014年電通Bチームを立ち上げてからは、
「出島組織」と呼ばれることがやたらと増えました。
そんな頃。
このcomemoのKOL(Key Opinion Leaderというコラムニスト役)をやっていたというご縁で、日経の方から合わせたい人がいる、とお呼びがかかりました。
そして、お会いしたのが、楽天大学の仲山さん。
2人とも、日経本社の大理石的なエントランスに、リュックでカフェラテ片手に現れるし、会社の名刺じゃなくてチームの名刺を出すし、あまりデスクにいないというし、なんだかかなり類似点が多いぞ、とお互いに思いつつ、会議室で話し始めた時、
「同じ出島組織ですね」と言われました。
ちょうどその頃、僕は出島のデザインにすごく魅了されていたので、
「出島行ったことあります?」と聞いたところ、
「まだないんです」とおっしゃったので、出島の魅力について、しゃべくりまくるところから、仲山さんとの出会いは始まりました。
で、開催されたのがこちら。
「窓際じゃない、めざすのは出島だ」トークセッション。
これきっかけで、bizzineの仲山さんの対談連載に読んでいただき、こんなタイトルがつきました。
少し話を戻すと、日経本社で出会ってから、さすが、仲山さんは行動が早く、1ヶ月以内に、出島に行ってこられて、感想をメッセージいただきました。
どんな話を仲山さんに最初にしたかというと。
まずこの写真をお見せしました。スマホで撮った出島。
長崎市は、100年計画として、出島のリノベーションを数十年かけて続けていて、建物はほぼ、完成の状態になっています。
そして、僕が感動したのがこの部屋。オランダ船の一番船頭の部屋。
畳にベッド。壁には唐紙が張り巡らされていて、超オシャレ。
そして、西洋からの当時のイノベーティブなもの=ガラス、時計、他、様々なものが配置されつつ、鳥籠にはおそらく南蛮渡来の鳥がいたのでは。
さらにベッドのシーツはインドのものだとか。この和洋折衷どころじゃなく、世界のインテリアデザインmixの具合が、素晴らしい。
他の部屋も唐紙が可愛すぎる。
こちらはパーティーをしていた部屋。
これを見ずして、外に突き出して、様々なものを交流させて新しいものを生む「出島組織」は語れないんじゃないですか〜!なんて話をしていたわけです。
仲山さんの出島行きとは別に、その頃。
電通Bチームのメンバーのアートディレクター、古谷萌くん(study and design)に、「デザイナー目線で出島を見てきてよ」とお願いしていました。
そして、彼が帰ってきてからの第一声がこれまた面白く。
「デザインも素晴らしかったけど、1番面白かったのは、出島は長崎だけじゃなかった、ってことですね」
とのこと。
「なになに!?どういうこと!?」
と、僕も言ったし、みなさんも思ったでしょう。
その意味は。
東インド会社がオランダから長崎に来る途中に寄港しつつ貿易していた港がたくさんあります。その港は、鎖国ではないという違いがあるにせよ、ことごとく出島に似た形をしていた。つまり、各国の出島同士を繋いで貿易をしていたのです。その経由地を経て、最終的に出島についたオランダ船が、世界中のミックスされた、たくさんの物と情報を長崎に届け、その結果、長崎の地で、面白く、新しいことがたくさん生まれていたのです。
なるほど。
この出島の例えを、現代に応用すると。
出島組織として多いのは、大企業の出島組織。そこは、研究や新規事業のミッションを背負って、外のスタートアップなどと、組みやすく、スピードを上げるために外に出ている。が、それはそれとして。
その出島同士を繋いだら。これはまだ見ぬ新しい面白いことが起きるのではないか。
ということで、約3年間の準備を経て。
先日、プロジェクトをリリースしました。
名付けて「出島組織サミットin出島」。
出島組織の方にも出島で歴史を学んでもらいつつ、出島組織同士の知恵の交流を生む会です。
サイトはこちら。
ロゴは、まさに出島に住所がある、dejima graphさんという腕のあるグラフィックデザイン事務所にお願いしました。
場所は、出島の中の「内外倶楽部」という、昔、国内外の方が交流していた文化財で行います。ディスタンスを取るとあまり人数が入れない入れないため、50人限定です。
歴史については、出島にいらっしゃる学芸員の方のガイドツアーに参加すれば、たくさん、出島の歴史から、現在の出島組織へのヒントがもらえます。
なぜ幕府は出島を、江戸という近場でなく、長崎という遠くに作ったのか?なぜ出島のような辺境からこそ、新しい文化が生まれるのか?etc.
今日はここについては詳しく書きませんが、4年前くらいから流行ってる「両利きの経営」についてなんて、まさにそのまま、という理論が、出島の歴史から導き出せます。
また、このサミット開催までに、独自にリサーチしてきたデータも提供します。
チラッとだけ、お話しすると。
出島組織という言葉は、アノニマスで、誰が作ったか、わかりません。経団連のsociety5.0のレポートの中で「大企業の出島組織を推奨すべし」的なパートが出てきますが、それは2018年で、かなり遅いものです。そこで今回行った調査では、15年前以上から、出島組織としての言葉があったことがわかりました。出島としての例え自体は、教育界で30年前からあったこともわかっています。
誰が言い出したかわからない匿名性ゆえ、それぞれが都合よくこの例えを使うために(良い意味でです)、現在7タイプの出島組織があることがわかりました。もはや大企業や国などが出島を作るだけではないのです。そのタイプ別で、成功パターンや、失敗パターン、うまくやるコツなどを解析して、新しいことを生むお手伝いになればと考えています。
さらに今回面白いのは。
条件を満たした企業に、長崎市公認「出島組織認定証」も発行されることです。(様々な条件がありますが)
どうです?面白そうでしょう??
海外から誰かが輸入してきた横文字のコンセプトではなく、日本古来のコンセプトや文脈を現代に応用することについては、
Discover Japanさんとこういうプロジェクトを続けてきたり
佐賀県では、鍋島藩の伝説の藩校弘道館の哲学と方法をまんま21世紀に応用して、弘道館2を作ったり、
してきましたが、
次は出島の文脈で、新たな化学反応をトライします。
この流れはライフワークとして一生続けていくつもりです。だって面白いから。日本からしかできないから。つまり、世界に役に立つはずだから。
日経の記事で、こういうのもありましたが、
「生兵法は怪我の元。」「2匹目のどじょうを狙うな。」つまり、海外から持ってきたオープンイノベーションだから、空回りしているわけで、そもそも昔からやってきた、交流&化学反応の力学の裏側をもっと利用すれば、すべらないんじゃないでしょうか?オープンイノベーションなんて言葉がなかった頃から、ずっと「開いて新しいことを生む」って、歴史上やってきたわけだから。まんまじゃなくても、応用すればね。
出島組織の方。
出島組織を始めようとされている方。
そう言われてみるとうちも出島組織だな、という方。(結構このパターン多いです)
いろんなケースをお互いにシェアし、出会い、歴史に学び、この知恵の交流で、新しいものを生んでいくサミットです。ぜひご参加お待ちしています。
(ちなみに、リリース1週間で、46席/50席 埋まってしまいました!お早めに!)
■イベント詳細
タイトル:出島組織サミットin出島
日時:2022年11月12日(土)
11時~17時(東京からの日帰りも可能です)
場所:長崎県長崎市出島町6−1 出島内 旧長崎内外クラブ
人数:50名限定(1社2名まで)
参加条件:
・出島組織に所属し新たな価値創造に取り組まれているかた。
・出島組織をつくろうとされているかたも参加可能です。
公式webサイト:https://dejima.team
申し込み:公式サイト内のメールにて申し込み
※先着順となります。
■イベントスケジュール
11:00-11:30 -OPENING 趣旨説明・長崎市長からの挨拶
11:30-11:50 -INTRO 出島組織とは何か
11:50-12:20 -SESSION1 全参加社の紹介
12:20-13:20 -ネットワーキングランチ
13:20-14:20 -スペシャル出島ツアー
14:20-14:50 -ツアー振り返り
14:50-15:40 -SESSION2 出島組織3社によるトークセッション①
15:40-16:30 -SESSION3 出島組織3社によるトークセッション②
16:30-16:50 -出島組織認定式
16:50-17:00 -おわりに・夜の長崎ガイド
※新型コロナウイルスの影響などで内容の変更や延期などの可能性もございます。
リリースはこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000093421.html