
安西水丸さんの言葉特集 「自分より絵がうまい人はたくさんいるけれど、自分より絵が好きな人はいない」 ~ 一言切り抜きfrom日経#210
今日は「好き」について書く。
恋愛、じゃなくて、好きなこと、についての方の、好き。(恋愛についてはまたどっかで書いてみるか?)
2021年6月26日日経朝刊、書評欄の「あとがきのあと」のコーナー、
安西水丸さんの娘さん、安西カオリ氏がご自身の著書「ブルーインク・ストーリー」について書かれていた「好きを何より大切にした父」のコラムより一言切り抜く。
安西水丸さんの言葉、
せっかくなので、
さらに一言切り抜いちゃう。
全文はこちらで読めます。
そして、本はこちら。
僕は安西水丸さんのファンで、本も結構持ってる。展覧会もいくつか行ったことがある。
安西さんの絵を見ていると和む。滲み出てるものを感じるのが好きだ。
そして、何よりスタンスが好きだ。
(ちなみに、電通の先輩だというのはあまり影響していない。1年だけお勤めになり辞められている。僕は20年勤めて辞めた。)
カオリさん曰く、
ということだが、
好きを大切にする。そして仕事にする。というのは本当に楽しいことである。と同時に、大変厳しいことである。日々いろんなものとの戦いである。
安西さんと比べるのはおこがましいが、僕も好きなことを仕事にしている。だから、わかる。
好きを突き詰めている人たちで常々仕事をしているし
好き、が、タイトルに混ざってる本も書いた。
安西さんは、好きなことを仕事にして突き詰めるその厳しさを、表には出さない。
絵にも出さない。出ないようにされている。それが出るようでは、まだまだである、的なこともどっかに書いてあったような気がする。
出さないのに、なぜその厳しさを僕が知っているか?というと。
安西さんに絵を教わった方々による、追悼展をたまたま見たからである。
場所は表参道「山陽堂書店」2階のギャラリー。
本当にたまたま見た。たまたま見て良かった展示ランキング、人生の中で、トップ3に入ると思う。
安西さんに絵を教わったイラストレーターの方々が、安西さんに言われた言葉を自分の作品とともに、キャプションで書いて、展示してあったからである。
例えば、イラストレーター竹中ゆみ子さんの作品の下に書いてあったのは
「『君は今まで何を学んできたのですか』
叱咤されました。その時は言葉が出ず…悔しくも、もどかしい気持ちでいっぱいでした。今もずっと考え続けています。(後略)」
イラストレーター笹本聖子さんの作品の下のキャプションには
「『アッケラカンとしろ』
「こんなことやんなきゃいいのにという事をやるのはきっと自信がないからだ。もっと思い切ってシンプルにアッケラカンとしろ!」
先生は何度もこの言葉をかけて下さいました。絵も心も軽くなる事ができました。」
そして、鹿又きょうこさんの作品の下に書いてあったこともメモしたが、それはネットに上がってた。
「『どっか甘いんですよね。』
私の絵を見た先生が一言。それを聞いて私は「もっと自分の世界を突き詰めて良いんですよ。何を遠慮してるんですか。」と言われたような気がした。その頃の私は、イラストレーターとか自由業というものに馴染めていなくて、変わった人にならないよう、自分の世界を突き詰めないよう自粛していた。だけど冒頭の先生の一言で、心の中の塊がひとつ溶けた。社会性を持ちながら、個性を出すことは可能なんじゃないか。その道を探り始める大事なきっかけとなりました。」
見る人を楽しい気持ち、優しい気持ちにさせる絵。
そういう絵を描くのが好きである作者。
しかし、その裏にある、好きな事を突き詰める厳しさ。
けど、それを、表には出さない。
だから、僕は安西水丸さんの作品が好きなんだと思う。
お会いしてみたい方だった。
ちなみに、ユニクロでいま配布されているフリーペーパーの最新号は、表紙が安西水丸さんの絵で、
中では、村上春樹さんが、インタビューで、安西水丸さんについて触れられていた。
やっぱり改めて、お会いしてみたい人生の先輩だな、と思った。