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“マニアック“や“変態的”が褒め言葉。店舗は専門店の時代へ。

今の時代に生き残る店舗には“マニアック”さが必要であると思います。
マニアックと言えば少し前は必ずしも褒め言葉では無かった気がしますが、個人的には今の時代において、“マニアック”や“変態的”と言われることはある意味で褒め言葉でなってきたと思う。店舗に置き換えるとそれは、何かの専門性を有している事。これから店舗になぜ“マニアック”さが求められるか考えてみたいと思います。

店舗やブランドは2極化。メガブランドか個人店か

Minimal富ヶ谷本店

情報に溢れて、インターネットのおかげで情報の非対称性が無くつつあります。それに合わせて、個々人の消費のスタイルや価値観が多様化しているので、一昔前のように画一的な商品、画一的な売り方買い方では括れなくなってきているのは誰もが感じている事だと思います。

店舗やブランドに置き換えて考えてみると、これは2極化が進む流れであります。一方は、誰もが知っている、誰もが利便性を考えるメガブランドや大型店舗(それもその中でも1位のブランド)。もう一方は、専門性やこだわりがある個人店です。

特に恐ろしい事実は、前者である大型店舗やメガブランドの方はより偏りが進み、1位のブランドや店舗が限り無く総取りしていく時代になります。業界1位と2位以下の差が広がっていきます。本論とズレるので詳しくは触れませんが、嗜好性の多様化が進むと、小売の棚や商圏は細分化されるため、商スペースが小さくなり、お金がある企業の一人勝ちが進むからです。

そして、後者である“個人店”がなぜよいかというと、消費者の価値観の多様化の中で、カテゴリーが細分化されて、よりこだわりをもった“マニアック”なラインナップが好まれるから。逆の言い方をすると、総花的な見せ方はコンビニやスーパーで手軽にリーチ出来るため、より専門性を追求することが個人店の生き残る方法とも言えます。

代名詞がないと埋もれる時代

Minimal のシグニチャーであるカカオ豆から手造りの板チョコレート

情報が溢れアクセスが容易な時代はとても便利ですが、一方で情報に埋もれてしまいます。お店側から考えると、自店の情報を適切に伝える事やリーチしてもらう事が難しくなります。

だからこそ、“マニアック”な専門性や“変態的”なこだわりが求められます。

要は「あのお店、あのブランドといったら〇〇!」といった代名詞が必要です。代名詞がないと、情報がうもれてしまい、そもそも消費者に気づいてもらえないのです。

代名詞を私はラベルといったりしますが、お客さんにお店やブランドのラベルをたくさん覚えてもらえておくと、お客さんが関連する何を探しているときにパッと思いだしてもらえます。

Minimalと言ったら〇〇!そこに個人の嗜好性を反映する。

Minimal 職人チーム

Minimalの例で言うと「板チョコレートのお店」「チョコレート専門店」「カカオ豆からチョコレートをつくっている(Bean to Bar)」などがファースト想起として上がってくるでしょうか。

そして、このラベルはたくさんある事はそれだけ多くの切り口でお客さまにリーチできます。例えば、Minimalであれば僕や経営陣がビジネスサイドで露出をすることも多く、ブランド経営、ものづくり経営や、デジタルの切り口でも認識をしてもらっていたり、D2Cというラベルで取り上げてもらったりしています。

代名詞を増やしていくために必要な事は、表題にも戻りますが、“マニアック”である事だと思っています。

上述したようにお金があり、圧倒的なマスパワーがない私達個人店は、“広く”ではなく、“深く”掘り下げる戦略しか勝ち筋がなかなか見いだせません。

加えて、大きなブランドや店舗も差別化、PB化を目指してある程度“深く”いく戦略をとってきています。
ファミマのフードペアリングなんて、少し前の時代には考えられなかったと思います。うちにコーヒーの合うチョコ開発やらしてほしい(中の人いたら、連絡下さい笑)

“マニアック”や“変態的”という言葉をあえて使っているのは、個人の嗜好性が反映されているという意図があります。深く、そして少し偏りがあって普通の人がなかなかやらない深め方が重要だと思います。

マニアックを極める①
専門性を高める必要(機能的な価値)

カカオ原産国「ニカラグア」でのティスティング風景(豆の分析中)

“マニアック”や“変態的”と言う言葉を使ったとは、どこかそこに個人の嗜好性を感じます。企業やブランド、店舗というのは個人の集合体ですし、特に個人店はその名の通り、店主の嗜好性が色濃く反映されます。

2極化の時代に店主やそこで働く個人の“マニアック”さを武器にすることはとても大事だと思います。

嗜好性=好きが反映された専門性の追求は必ず武器になります。
Minimalの例で言うと、それは「カカオ豆の分析」だと思います。
「カカオ豆の分析」って言葉がすでにかなりマニアックです(笑)

Minimalの入社した人は、毎週必ずチョコレートティスティングを行います。各部署に毎週課題のチョコレートが送られてきて、39項目の共通項目でティスティングして、その回答を事前送り、木曜日の朝9時30分~Zoomでティスター同士の議論と解説をうけます。

工房のショコラティエ・パティシエ・チョコレート職人だけでなく、店舗スタッフはもちろん、ビジネスチームのデジタル担当やシステム担当に至るまで全員が共通で行います。

なぜこれが成り立つかというと、Minimalの創業メンバーはカカオ豆に魅せられて、かなり“マニアック”にカカオ豆の香りや味わいの表現に興味をもっってプロダクトをつくってきました。そして、その後に入社しているメンバーも、Minimalのチョコレートを食べて、美味しさや味わい・香りに驚き、そこに興味を持っているある意味“マニアック”なメンバーが集まっているからです。

そのお店やブランドがもっている“マニアック”さを強化する施策や仕組みを作っていくことは、更にその個性を際立たせます

例えば、Minimalでは8月からお酒の販売を始めていますが、チョコレートやものづくりに興味があるメンバーはお酒にもマニアックさを発揮しています。酒販をメインで担当してる代々木上原店長の力武君と僕とで、ジャンルごとのお酒を買い集めて、夜な夜な試飲(ティスティング?)をしています。そうすると、同じカテゴリーのお酒でも全然つくり手によって味わいや“マニアック”さが違う事に気づくのです。では、Minimalのチョコレートといい意味で“マニアック”さが合うのはどこなのかを考えてセレクトしていくと、「チョコレートに合うお酒」というありそうでない“マニアック”なラインナップがそろって、お店の武器になります。(武器になるはずと言い聞かせて二人で夜な夜な気持ちよく酔っています笑)

※お酒は本当にジャンルごとに“マニアック”なモノをそろえていきますので、ご期待下さい!

マニアックを極める②
こだわりや世界観を伝える(情緒的な価値)

Minimalメンバーシッププログラム「Minimal Collective」

店舗やブランドがもっている“マニアック”さを伝えていく事も同じく大切です。一番はサービスやプロダクトに反映していく事です。

加えて、関わって頂けている人々やお客さんにその世界観やこだわりをどのように表現していくかも“変態的”に突き詰めていくことが大事です。

Minimalでは、Minimal Collectiveというメンバーシッププログラムを立ち上げました。

これは、Minimal関わってくださるお客さんに特典という観点加えて、その特典ややりとりを通じて、Minimalが目指すビジョンやその世界観を知って頂く事を大事に設計しています。

例えば、Impact3と呼ばれるステージの特典に付帯する冊子は、Minimalがカカオ豆をどのようにスタンスで買い付けているかやサステナビリティの考え方について書いています。普段をチョコレートを買うという行為ではなかなかここまで深くお話をする機会は少ないですし、他のブランドはここまでやっていないと思われるような“マニアック”な内容です。

実際にこの特典がどのように受け止めれているかわかりませんがw、店舗やブランドとしてそのこだわりを伝える努力を怠らないように深めていきたいと思います。

そして、一人よがりにならないようには気をつけて、お客さんとコミュニケーションさせてもらいたいと思っています。

Minimal Collectiveに詳しくは以下を参照下さい。どなたでも登録できますので、これを機会に登録してみて下さい!

“マニアック“や“変態的“が褒め言葉になる時代

店舗やブランドが生き残る方向性の一つとして、専門性を高めていく事や特化していくことはとても大切です。

“マニアック“や“変態的“という言葉が褒め言葉になる時代って素晴らしいなと個人的には思います。

Minimalとしても、山下個人として、好きな事や嗜好性がある事をとことん突き詰めていきたいなと思っています。

※Minimalのチョコレート&SNS

Minimalの板チョコレートは“カカオマニア”入門です!ぜひ。

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最後までお読み頂きましてありがとうございます。このnoteは私がブランド経営やモノづくりを行う中で悩み失敗した中からのリアルな学びです。何かお役に立てたら嬉しいです。良い気づきや学びがあれば投げ銭的にサポートして頂ければ喜びます、全てMinimalの活動に使いたいと思います^_^