出産準備10万円も嬉しいけど、出生率上昇の兆しが見える中で、こういう支援策があると更に嬉しいかも?!〜有難いと感じた支援策ベスト3〜
出生率の低下が止まりません。コロナ禍の2021年の出生数が過去最小の84万人を記録しました。感染拡大で婚姻や出産を控える動きがあったと推測されています。しかし、これは本当でしょうか?
実は、一部の女性層に限って見ると、むしろ出生数が上昇しているのです。下記の記事にあるように、主にデスクワークを主体としている女性の2021年出生動向を見ると、子どもの数が1.74人と19年ぶりに上昇しているのです。考えられている背景には、これまでの国や自治体政策の影響だけでなく、リモートワークの浸透で働き方改革が進んだことで、時間的余裕が出来たこと、育児と仕事の両立への不安軽減が進んだことがあります。
そして、2021年という年は、コロナ禍の真っ只中であり、政府が議論している出産一時金の5万円引き上げ、出産準備金10万円UPも、何も議論されていない年です。この単年だけで、政府の施策を斬ることはできませんが、一時的なお金が賄えたら産みたいとなるかと、それは違うようです。
実は、私自身も2022年の夏に出産したのですが、リモートワークや働き方の自由度が進んだこと、家族のサポート、自治体支援が背中を押してくれました。東京都では既に「赤ちゃんファースト」という出産した家庭に10万円クーポンを提供していますが、それだけで産みたい!子育てしたい!という背中を押されたわけではないです。
全体で出生率の上昇が起きているアメリカ
上述の日本のような現象は、実は先進国でもみられています。アメリカでは、30代のデスクワーカー女性だけでなく、コロナ禍でも国全体の出生率上昇(!)が確認されているのです。下記の検証論文(査読前)では、それについて詳細な分析が行われています。
アメリカの合計特殊出生率は2007年から2020年の間に2.1から1.6に低下しました。 コロナの大流行と失業率の高騰で、多くの経済学者は、更なる低下が起きると予想していました。しかし!2021年初頭には、ちょっとしたベビーブームが観測される事態になったのです。
2021年末には合計特殊出生率をコロナパンデミック前のトレンドに対して約6.2%上昇させていたのです。つまり、コロナ前より出生率が改善しているという・・この2021年のベビーブームは、2007年の大不況以降、低下が続いていたアメリカの出生率を大きく反転したものになったのです。
では、誰が産んだのか?25-44歳の女性(主にデスクワークに従事しているだろう一部の層)で最も顕著でした。論文では、パンデミック中も仕事を続け、自宅で仕事ができる可能性が影響したのではと推測しています。
でも、それだけではありません。出生率と失業率のは相関があることが先行研究では報告されています。アメリカ政府は2020年3月から2021年9月の間に6500億ドルの連邦パンデミック失業給付を支出していますが、これも影響していたのかもしれません。給付が終わった後は、アメリカでは失業率の改善がみられているので、そうしたトレンドもアメリカの女性の背中を押したのかもしれません。なので、先進国は出生率改善は、工夫次第で可能なことかもしれません。
出産を通して感じた、あると嬉しい支援策
出産を通して感じたのは、自治体によって出産や育児支援の施策が、本当に格差が大きい!!!!ということです。格差が生まれるのは、財政問題が大きいです。政府に前向きに考えて欲しいのは、子育て層に人気の自治体が行なっている支援策を、全国にも展開して欲しいこと。これも財政問題から難しいのかな・・
とはいえ、有難いと思った支援策ベスト3(現時点)を紹介します!
3位 助産師さんのアウトリーチ
子育てはワンオペだったり、孤独になることもあるでしょう。そんな時にママ友の存在は大きいのですが、専門家による育児アドバイスも欲しいもの。噂や迷信ではなく、専門家によるアドバイスは心がぐっと明るくなります。特に、母乳に関する悩みを抱える方は多く、適切なケアをしないと、育児にも大きな支障が出ます。でも、家から赤ちゃんを連れて、専門家のところまで行くのはハードル高いです(涙)
そんな時に、助産師さんが自宅まで来て母乳ケアや育児アドバイスをしてくれるサービスがあります。これ、全額自腹だと、かなりの出費になります(汗)自治体によっては前払いすることなく、格安で受けられます。
私は、相性の良い助産師さんに出会えて、育児の楽しさや面白さも味わえるように少しはなってきました!
2位 産後デゥーラ(≒ベビーシッター)サービス
産後直後は、赤ちゃんが小さすぎてベビシッターサービスを受けられないことが多いです。新生児は、専門知識を持っている人じゃないと、サービスを提供できないんようです。
そんな時に、産後デゥーラの資格を持っている人に来てもらう必要があります。赤ちゃんのケアだけでなく、家事サポートもしれくれるので、産後の疲れ切った母の体には沁みるサポートです。心が明るくなります!
1位 産後ケア入院
私のように、両家の実家に諸事情から頼れずに出産する必要がある人は多いと思います。そうなると出産でボロボロの身体がで育児スタートです。でも、そうならないように、一部の病院や助産院では、赤ちゃんの面倒をてくれて、母の体のケアもしてくれるサービスがあります。でも、これすごーーーく高いんです。私は、自治体のサービスを受けて入院しましたが、本当に体も心も回復して退院できました。
とはいえ、これらが出産直後の施策。育児はマラソンだと思うので、一時保育の拡充や、働き方改革の改善、デスクワーカーでない層への手当やケアなど、出生率改善には多くの議論が必要だと思います。引き続き、経済学と育児経験を通して考えを発信していこうと思います!
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応援いつもありがとうございます!
崔 真淑
(写真は、出産直後の我が子です(汗)おかげさまでスクスク成長中です)
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