私がVC業界で働いている意義
こんにちは、町がクリスマスムード一色の中、今日は今年一年読んだ本を振り返りながら、私が感じているVC業界で働く意義を書き残していけたらと思っています。
次の産業づくりに貢献できるから
私がVCで働きたい理由、その一番大きなものは、次世代の産業そして雇用づくりに貢献できるからだ。
2015年に発表された、スタンフォード大学の研究[※1]によれば、1974年以降、VC支援の会社が米国の公開市場で増加しており、その割合としてIP公開会社の42%はVC支援を受けており、時価総額合計の63%に相当する。そして、こうした会社が雇用総数の35%を占めているとともに、研究開発費総額の 85 %を占めるという。
カフマン財団の2010年の研究によると1977年以降に創設された2500万人の純雇用のほぼ全てがVCに支援された若いスタートアップのおかげだという。
米国のVC投資額は14兆円、国のGDPとしては0.4%しかないにも関わらず、それが国の総雇用数の35%、新規雇用として2500万人を生み出しているというのは相当なインパクトだ。
わたし自身、前職であるシェアリングエコノミー企業に務めていた際には、地域の雇用機会の創設に奔走した。わたし自身、それが天職だと思い事業の立ち上げを行っていた。
しかし、その過程の中で、東京の仕事を地方に再分配することは出来ても、地域に根ざす産業や大きく成長していく産業づくりには関わることの難しさにも直面していた。だからこそ、次世代産業の芽となる起業家のアイディアと気概にコミットできるVCと時間を経てその影響力の広がりに関われたらと思っている。
スタートアップ業界のリアル
しかし、スタートアップがそのような結果を生みだすのは簡単なことではない。スタートアップ業界の近くにいると、「どれぐらいの確率で失敗するのか?」という質問を受けることも少なくない。
スタートアップの失敗を定義することは難しい。失敗は次への学びであるし、チームはピボットを繰り返すからだ。しかし、次のステージで資金調達できなかった確率や、エグジットに至れなかった確率を米国のCrunch Baseに算出したデータがあったのでそれを参考にして見るとシード期で97 %が失敗していると言われている。
その理由の第一は「市場でのニーズがなかった」ことのようだ。世の中の新しいニーズを検証し続けてくれる挑戦者たちの挑戦はこの語も続くので、このデータだけで失敗と決めつけるのは違う気もする。
しかし、このデータにあるように、VCの仕事は次世代産業のや雇用の育成につながる。だからこそ私はこの業界で頑張っていきたいと思っている。その一方で、挑戦する起業家たちは全員が成功するわけではない、スタートアップ業界にいるからには失敗の連続、その先にある成功をいっしょに目指していけたらと思う。
[※1]出典:Gornall and Strebulaev, "The Economic Impact of Vanture Capotal”
女性起業家に投資マネー VCの半数が出資拡大検討:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC057JI0V00C21A8000000/