東京駅前

新・証券仲介業、良いけどちょっと心配

証券会社とお客様の間に入って、証券取引の仲立ちをする業者を金融商品取引仲介業者、と呼んでいます。平たく言えば証券仲介業者です。売買の当事者にはならず、あくまでもお仲人さんみたいな存在。

ところで、お客様から見ると銀行商品は銀行に、保険は保険代理店に、証券取引は証券会社か証券仲介業者に、なんてかなり面倒。魚と野菜とお肉をそれぞれ魚屋さん、八百屋さん、お肉屋さんにいくのではなく、スーパーに行けばいっぺんに済む。品ぞろえが豊富な方が、献立を考えるときにもいろいろと参考になる。

そう。金融商品も同じではないか。ワンストップの金融サービスがあればなあ・・・これはかつてのバブル期にもずいぶん騒がれ、トライもされました。結局実現していませんが。

しかし、今やSociety5.0時代。ITや新技術を駆使した証券仲介業者を導入すればワンストップ金融サービスが可能ではないか。フィンテックとデジタルプラットフォーマーをフル活用すべきだ。

新・証券仲介業者が保険も預金も取り扱うのです。

たしかに魅力的なアイデアです。顧客利便にばっちりだし、証券人口も増える!「貯蓄から投資」をITが促す!

でも、是非、留意すべきことがあります。市場が健全性を確保・維持できることです。市場が大きくなるだけではダメ。公平で透明で公正な市場であることが不可欠です。

証券界は、今日まで長~い年月と巨額のお金と膨大な人材と設備を「健全な証券市場」の実現にかけてきました。不公正取引の防止と厳罰、コンプライアンスの徹底、そして反社会的勢力の排除。

法律や役所だけではなく、数百人からなる公益自主規制機関である証券業協会も頑張ってきました。

このシステムは一朝一夕には出来ません。ノウハウや知見の蓄積も大変です。新・証券仲介業者もこうした仕組みに直結することが不可欠です。

新・証券仲介業者がワンストップサービスを始めた。結果、おれおれ詐欺や持ち逃げ、てっぽう、証券闇営業が横行するのではたまりません。

顧客利便の向上と市場拡大は大いに結構。ただし、その市場は無法地帯であっては困ります。良いことには、必ずコストがかかります。

広角打法での制度導入と広い議論、検討が望まれますね。

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