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米大統領選挙に向けてのニュースの読み方

来年の今頃、13ヶ月後の11月3日には、アメリカの大統領選挙が行われます。少し気が早いかもしれませんが、これから少しずつあちこちで大統領選のことが報道される機会が増えることと思います。

メディアの世界では大統領選に併せて新しく誕生するニュースサイトが数多くあり、時代とともに新しいテクノロジーを取り入れ、今までになかったような報道、ニュースの見方を提供してくれることは毎回とても新鮮です。今回もどのような新しい取り組みが生まれるのか、とても楽しみです。

そんな中で特に気になった2つのニュースの取り組みをご紹介したいと思います。

大量の記事や大統領選候補者のSNS上の言及数に基づくランキング

まず今回とても気になったのは「Axios-NewsWhip 2020 attention tracker」という取り組みです。Axios(アクシオス)はトランプ政権誕生直後に生まれた政治経済メディアなどに特化したニュースサイトで、スマートで洗練されたフォーマットで、短かいながらもスクープも連発するメディアとして注目を集めています。そのAxiosがソーシャルメディアエンゲージメントトラッキング企業のNewsWhip(ニューズウィップ)と提携して、毎週統計データを提供している試みです。

毎週更新される記事の冒頭には直近1週間の間に最も話題になった記事の言及数、それら記事に対するいいね、シェア、コメントなどに基づいたランクが表示されています。先週一週間の特徴としては、国連気候行動サミットで温暖化防止を訴えたグレタ・トゥンベリさんのスピーチの影響もあってか、気候変動問題が2位に急浮上していることが分かります。1位にはウクライナ疑惑、大統領弾劾などのニュースがあったことで、大量の外交関連の記事が話題になっていたことが分かります。

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*実際の記事のグラフ上にカーソルを当てると言及記事数、SNS上の反応数などが過去に遡って数値を閲覧することができます。

ページ左上の箇所で「候補者(Candidate)」をクリックすることで、以下のような民主党大統領候補のランキングが表示されます。こちらも言及記事数、SNS上の反応に基づいてランキングが生成されています。

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こうして見ると、大きな事件、ニュースが発生した時にどの大統領候補が浮上したり、凋落したかなどが、リアルタイムに映し出されます。世の中の出来事がニュースの数、SNS上での反応という鼓動によって刻々と変化していく様子がとても具体的に映し出される、とても興味深い取り組みなのではないかと思います。

一つの新聞、毎日見る特定のテレビ番組だけに頼るのではなく、こうしたデータに基づいた社会の様子を俯瞰的に切り取る視点、定点観測の取り組みはいずれ日常的にも取り入れられていきそうな気がします。

平日毎日15分、大統領選に関するポッドキャスト

もう一つ、こちらはとてもニッチな取り組みですがご紹介したいのは「2020 Eletion Ride Home」というポッドキャストのシリーズです。毎日15分、大統領選に特化したニュースを集約してポイントを解説してくれる、というものです。ポッドキャストの内容は全て文字起こしがされていて、紹介される記事のリンクも全てサイトの中に含まれていることもあり、深堀りしてこのテーマを追いかけてみたい人にとってはとても参考になる情報にアクセスすることができます。

ちなみにこのポッドキャストは過去20年に渡ってテック系のニュースのまとめサイトとして有名なTechmeme のポッドキャスト版「Techmeme Ridehome」 を運営している人がそのノウハウを活かして始めた取り組みです。朝のポッドキャストは競合も多いので仕事帰りの時間を狙って夕方5時頃の帰宅のドライブ時間に併せて提供している番組で、番外編として「大統領選」だけに特化したポッドキャストです。

いかがでしたでしょうか?太平洋を超えた別の国で起きている選挙についてのニュースではありますが、今後一年間、いろいろな話題を提供してくれそうで、アメリカ国外の多くの人にとっても大きな関心事になりそうです。メディアイノベーションの誕生の機会としても今後も注目していきたいと思います。


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