ドイツ やっと合意に達したものの・・―移民政策ともう一つの争点である温暖化政策

まず、これまでの経緯を整理すると、2017年9月に行われた総選挙で、メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は大きく議席数を減らしました。自由民主党(FDP)、緑の党との連立に向け、1カ月におよび予備的協議を続けたわけですが、それが11月20日に決裂。

対立点は大きく2つで、1つは移民政策であり、もう一つはエネルギー・気候変動政策でした。緑の党が主張する、温暖化目標の法定化や再生可能エネルギーのシェアを2030年までに100%に引き上げるべきといった政策に、他の2党は合意できず、また、3 党ともに石炭・褐炭火力設備容量を低減させるべきであることは合意したものの、2020 年目標達成のために 800 万~1,000 万kW の石炭・褐炭火力の閉鎖を求める緑の党に対して、CDU は700 万kW まで、CSU・FDP は最大でも500 万kW の閉鎖しか認められないとして、協議は決裂に至ったとのことです。

ドイツは再生可能エネルギーの導入は順調に進んでいるのですが(昨年も電力の約33%を再エネで賄ったとしています)、CO2の削減が進まず、COP23ではメルケル首相自身が2020年目標(1990年と比べて▲40%)はほぼ断念するということを演説の中で述べています。2020年目標を断念した分、前向きな姿勢を示したかったところかもしれませんが、経済や雇用への影響を考えると現実的にならざるを得なかったということでしょう。

 その後,キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は社会民主党(SPD)との連立を模索し、今回の合意に至った訳です。すでに、温室効果ガス削減に関する2020年目標(1990年比40%削減)は撤回することで合意したと報じられていましたので、温暖化対策におけるリーダー的な存在と自認してきたドイツがこれからどうするのか、注目ですね。

https://www.nytimes.com/2018/02/07/world/europe/angela-merkel-coalition-germany.html

https://www.nytimes.com/2018/02/07/world/europe/angela-merkel-coalition-germany.html

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