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「人は守るが、雇用は守らない」海外に学ぶ創造産業時代の職業訓練。

『最近、仕事ないんだよね』

コロナ禍で解雇や雇い止めにあった人は見込みを含め10万人を超えたというニュースを聞くと、どこか他人事のように聞いていたが、最近久しぶりにあった友人の何人からか『契約打ち切り』や『転職開始』の相談を受けて、私自身、自分ごとの課題として向き合いようなった。

大切な友人たちサポートしたい。しかし友人たちは、私がいるIT業界の経験がない。だからこそ容易に紹介ができない。

そんなことを考えているうちに、再就職を後押しする役割を期待されているのが職業訓練、そして国としての職業訓練の仕組みをよりしっかり持つ重要性を感じるようになった。

かつて新しい働き方の職業訓練校を掲げ、全国の自治体と事業をやらせてもらっていた自身の経験もあって、世界ではどんな職業訓練校があるか調べてみた。



スウェーデンの職業訓練制度

「トランポリン型社会」を実現

スウェーデンにあるYrkeshögskolan(略称 YH)は、高校卒業者を対象とする高等職業教育システム。「人は守るが、雇用は守らない」を念頭に置く労働政策を掲げている。

元々大学院まで教育費が無料だが、この職業訓練校についても完全無料、カリキュラムは、産業界への調査などを基に、新設するコースを決め承認を得るテーマは幅広く「馬の蹄鉄をつくる仕事からパイロットまで」 240種類の職業に対応したコースが存在しているという。時代や地域に合わせ柔軟に更新されるカリキュラムで、再就職を促す取り組みが注目されている
日本経済研究センターより

コロナ禍による産業構造の変化に合わせた職業訓練校

スウェーデンだけでなく、離職率や転職率が高い国は、職業訓練や再就職の仕組みが優れていると感じることがある。例えば、コロナ禍では次の3つが次世代の産業で活きる人を育てようと以下のように打ち出しているという。(NHKクローズアップ現代より

1)米国
州ごとに医療やITなどの成長産業を選定。最先端の職業訓練を強化

2)デンマーク
気候変動対策の職業訓練は給付がアップ。EUのグリーンリカバリー制作に乗って産業構造を転換

3)スゥエーデン
CO2の排出量マイナスを目標に。森林保全の専門職や、電気自動車関連の技術者などを育成



終身雇用の価値観を崩していく重要性


もはや「会社が守ってくれる」と思っている人はいないのではないかと思うほど、会社が、社会が変化している。

それでもなお、私は、次の仕事を考えるときに。『転職回数が多いかな?』『やめたらなんと言われるかな?』ということを無意識に考えはじめていた。一つの会社に長くいること。一つの産業に長くいることがと尊いとされる時代ではない。

では、どんな働き方いいのか?

その答えを知っているのは自分しかいないし、もはや答えなんてないのかもしれない。

大切な人やまちを守るために、まずは自分自身を守れる生き方や、考え方をし続けていきたい。そんなことを各国の取り組みを調べながら思った。

#日経COMEMO #COMEMO




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