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つながらない権利と勇気

日経COMEMOのKOLの大林です。複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営する株式会社Another worksの代表をしております。

「つながらない権利」とは

「つながらない権利」という言葉を聞いたことはありますか?この権利は実際に2017年にフランスで定められました。

業務時間外に会社から仕事の連絡があっても労働者側が拒否できるという「つながらない権利」を定めた法律が施行され、労使間で協議することが義務づけられました。イタリアでも法制化され、カナダ、イギリス、フィリピン、ニューヨークなどほかの国や都市にも広がっています。

コロナ禍において働き方全体がオンライン化されることでテレワークが定着してきました。言い換えれば「自宅=オフィス化」され個人の可処分時間が最大化されたことはコロナによる唯一の恩恵ではありますが、プライベート時空間との境界が曖昧になり、長時間労働などのリスクが高まっているという現状です。

また、社内チャットツールが普及し、業務時間外も容易に「つながる」ことが可能になりました。そういう背景もあり、「つながらない権利」という権利が世界的に注目されています


業務時間外もつながりたい?

そもそも現代の日本の社会人は業務時間でもつながりたいのか?という問いがあります。就業時間外の業務連絡(電話・メール)の考え方において、2021年3月にNTTデータ経営研究所が調査した結果、約半数が「繋がりたくないが繋がることはやむを得ない」というデータが出ました。

「つながらない権利」はもちろん権利としては重要ですが、権利を手にしたとして権利を盾に「つながらない勇気」の方が今の日本には必要なのでは?と思います


「つながらない勇気」をもつために

「そんな勇気があれば苦労しないよ」と思う方は多くいると思います。SNSが生活の中心にある現代日本において特にこの勇気を持つことは習慣的に非常に高い難易度だと思います。

まず必要なことは、政府の見解や反応を待つことなく各企業による「つながらないためのルール」を策定・運用することです。すでに長時間労働防止のために企業独自のルールを策定してる企業は増えています。

社内SNSやメールを送付不能にすることは機能上難しいですが、就業時間外は通知機能をオフにすることを推奨したり、決まった時間にPCが強制的にシャットダウンしたりする企業(私の前々職)もあります。

全ての繋がる機会をゼロにすることは難しいかもしれませんが、業務時間外につながることを当たり前にしない文化を作る努力はできます。そもそも企業文化として長時間労働や公私混同を是とする場合、この権利や勇気の効力は著しく低下する危険性はあります(辛い時は逃げて!)。


最後に

「つながらない権利」の元にある
「つながらないルール」による
「つながらない文化」を前提とした
「つながらない勇気」

「つながる」選択肢を働くすべての方が手にすることができ、行使できる社会になれば良いなと思います。

#日経COMEMO #働き方

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