AI VS 人間~AI運用は何が優秀で、何が課題なの?~
みなさま、こんにちは!
今回は、新刊でも出てきたAIがテーマです。AI資産運用について記していきます。というのも、日経CNBC昼エクスプレス「崔真淑のサイ視点」に、投資助言会社の代表としてAI運用でも有名なの運用にも関わり、関西学院大学で教授をされている岡田克彦先生をお招きしたからです。実際に運用にも携わり、アカデミック分野でもご活躍されている方のお話は、と~ってもわかりやすかったのです。そこでの番組内容や楽屋トークを岡田先生に許可を頂いて掲載してきます。実際の映像は、日経CNBCのVODをご参考にしてくださいませ。
Q. AI運用と対比するために伺います。人間がプロ(ファンドマネージャー)として運用する場合はどのように行っているの?
A.このスライドにあるような情報を入れつつ、ファンドマネージャーが総合的判断を行い、資産運用するためのポートフォリオ(以下、PFと表記)の組成指示を行います。
Q. AI運用は、どうPFを構築しているの?
A.膨大なデータを活かしながら、機械学習を用いてPFの組成指示を行います。ここで重要なのは、いわゆるクオンツ運用やハイフリークエンシ―運用とは違う点を抑えること。AI運用は機械学習を用いることで、人間では直感的に把握できないデータ間の関係(線形では捉えられないデータ間の関係など)を導き、それを活かしています。なので、AI運用の導入でマーケットが乱高下…という記事は、上述の運用スタイルと混ぜこぜな報道かな。
Q.AI運用は人に何でも勝る?それとも単純には比較できないもの?
A.人間が陥りがちな属人性が排除されるので合理的な資産運用が可能に。そこは人間には難しいのでAI運用の利点でしょう。また、データ爆発時代だからこそAI運用は伸びしも大きい。
しかし、優良なデータがないとAI運用が機能しないこともある。一時期、Twitterのコメントを活かしてファンド運用というのが話題になった。しかし、Twitterのコメントは運用には活かすのは非常に難しいことがわかり、ファンドが解散なんて話も。更には、上場企業の経営者の表情や雰囲気という非言語情報を活かすのにも、まだまだ課題がある。一時期、黒田日銀総裁の表情から金融政策の行方を予想するなんて論文が話題になったが、課題は多い。
Q. ふむふむ…。AI運用だからの強みと弱みがあるわけですね。また人間だからこそ出来ることも多いように感じます。では、AI運用の拡大状況は?
A.最も単純な応用は、ロボアド。しかし、それが本当に最適な意思決定か、どう付加価値を出せているか不明。その他には、人間のファンドマネージャーの情報取得の効率化を促すためのツールとしてのAI運用も伸びている。そして、ど真ん中のAI運用は徐々に増えている。ただし、歴史が浅いだけに、まだパフォーマンス評価は先でしょうね。
AI運用の伸びしろは、まだまだ大きいですし、上述の課題を克服する日も近いかもしれませんね。今後の展開に注目です!
実は、後で気付いた話ですが…。私は学部時代に岡田先生の授業を受けていたんです。「関学の面白い先生がファイナンスを教えてくれるって!」と同級生に聞いて受講しました。その時の授業が、あまりに面白すぎて、ぜーーったい投資銀行でファイナンス理論を活用した仕事に就いてやる―と思い、投資銀行でアナリストとして活動していました。そして、その時の刺激があるからこそ、今はコーポレート・ファイナス分野の博士課程に通っているのです。10年越しで恩師と再会できたのは本当に嬉しかったです。
ご縁てすごいですね!そして、岡田先生を番組ゲストとして紹介してくださった、恩師の一橋大学大学院の鈴木健嗣先生に感謝です。
また、AIや技術革新による運用ではないですが、雇用や働き方への影響については新刊「30年分の経済ニュースが1時間で学べる!」をご参考に♪新刊への応援も、本当にありがとうございます!
応援いつもありがとうございます!
崔真淑(さいますみ)