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機会創出時代とスマートコントラクト

『トークンエコノミービジネスの教科書』に、MediBloc(メディブロック)Allen Khoさんインタビューが掲載されています。「臨床研究において、研究者は、自分が希望する条件に合った被験者をメディブロックで見つけることができます。また、被験者側は、スマート・コントラクトを介して、研究者にその研究に関連するデータの閲覧権限を与えることができ、それにより研究の透明化や客観的な検証が可能になります」とのこと。

同様のサービスとして、下記のようなものがあります。

治験マッチング(BuzzReach社):製薬会社(有料30万/月)治験情報登録&外郭団体(日本医薬情報センター)データベースから患者会が患者データを登録。製薬会社は、CRO/CMOから患者にアプローチできる(サービス名:Puzz)。患者が治験にエントリーできる(サービス名:smt)。それぞれが登録した内容によってマッチングされるのだそうです。

こうしたマッチングが進む社会。それまで出会えなかったチャンスに出会うことができる社会。

『Who Gets What』には、「命を救う市場プログラム」の章で、腎臓移植の患者とドナーをつなげるチェーンが紹介されています。

たとえば、A夫妻、B夫妻、C夫妻がいたとして、それぞれ夫婦間では配偶者のためなら臓器を提供したいと思いながらも、免疫の問題で臓器提供ができないとき。(便宜的に夫が臓器提供、妻が患者の場合)A夫→B妻/B夫→C妻/C夫→A妻と、臓器が移植されることで、それぞれの夫婦間では臓器移植できなかったはずの3組の夫婦が、無事に臓器移植できるようになる。2007年には、世界初のチェーンを報告した「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」誌に論文「A Nonsimultaneous, Extended, Altuistic-Donor Chain(非同期的で拡張された利他的なドナーのチェーン)」が発表されました。

2018年にエストニアで開催されたスタートアップイベント「Latitude 59」へ参加し、スマートコントラクトというキーワードに胸踊らせました。プロジェクトベースでチームが生まれ、様々な資産がプロジェクトを軸に集まり、動き出す社会における契約の形としての可能性。そして、考えてみると、上記のような、様々な領域で想像もできなかったような出会いの機会が提供される時代において、スマートコントラクトは重要な意義を持つのではないでしょうか。


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