何のための人工知能か?
「何のための人工知能か」これが大変大事だ。しかし、ほとんど語られていない。
このため多くの人には、人工知能はこれまでの「機械化、自動化をさらに進めるモノ」と認識されている。これは間違った認識である。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13455736.html?_requesturl=articles/DA3S13455736.html&rm=150
人工知能は、むしろこれまでの自動化や機械化とは真逆の技術である。多様性を生む技術なのである。
地球上に多様な生物と生態系が生まれたのは、進化とそのエンジンであるDNAの遺伝という最も偉大な人工知能(ただし「人工」ではないが)のお陰である。
なぜ多様性が生まれるのか。それは目的を明確にし、その実現手段は多様で状況にあわせて良い、というAIの基本原理を貫いているからである。これはこれまでの自動化や機械化における一律なルールやプロセスを標準化してこれを横展開するというのと対照的である。
人工知能には、一貫した目的が必要である。地球の生態系においては「生き残り」が目的である。この共通目的の追求を、象は象なりに、蟻は蟻なりに、細菌は細菌なりに、猿は猿なりに追求してきた。この結果、多様な生物が生まれた。標準化とは真逆である。
人間の社会における人工知能の目的は、実は明らかである。幸せな社会の追求である。「何のための人工知能か」=「幸せな社会のための人工知能」になる。日本は、「幸せな社会づくりのための人工知能」にぶれずに邁進すべきだ。