体罰は百害あって一利なし!
小学生だった頃を思い起こすと、日常的に先生に何度も何度も殴られて、みんなの前で恥ずかしくて、涙が出るのを必死に我慢していた記憶が蘇ります。
愛情があると感じられる先生からもらったゲンコツは、笑って我慢できたのですが、怒りや憂さ晴らしといった自分の感情で殴っていると感じられる先生に対しては、憎悪の感情が芽生えました。この年齢になっても、その先生に対しては良い感情を抱けていません。
そして、今度は自分が親になって、子どもが言うことを聞かない状況で、どういった指導方法をとるべきなのか悩むようになりました。
そんな中で、以下の記事の内容は、とても合理性が高いと感じられました。
アメリカ心理学会「体罰反対決議」の本気度──親の体罰を禁じるべき根拠
体罰の悪影響は科学的にも証明され、既に54カ国で家庭での体罰が違法とされています。
日本でも、2019年6月19日、しつけとしての体罰を親に禁じる改正法を成立させました。体罰の悪影響を直視すべき理由は数多くあります。
しかし、日本の保守派メディアや、政治家の一部は、家庭での体罰の禁止に反対しています。
暴力が必要だとする理由は、肉体的、精神的に頑強な人材の育成には、体罰が、他のしつけでは得られない教育上の効果を持つと信じているからでしょう。
また、しつけの名のもとに体罰を受けてきた人は、自分の人生を肯定するためにも、同様の教育を次世代に実施したくなるのが人の性です。
日本では多かれ少なかれ、「しつけ」としての体罰を肯定してきた時代があり、それを覆すためには、より効果の高い科学的根拠に基づいた手段の提示が必要になります。
そもそも、体罰反対・体罰禁止というのは、「しつけ」を否定するものでは全くなく、多様な選択肢の中で、より負の効果が少なく、成果の大きな方法を選択することを目指すことです。
【体罰に頼らない、もっと効果のあるしつけ方法】
① タイムアウト:場所と時間を決めて一人でじっとさせる
② 理由づけ:子どもの行為の影響をきちんと説明し、適切な行動を教える
③ バリア:クローゼットなど、より区別された場所でタイムアウトを行う
(タイムアウトに従わない場合に行う。ただし怖がらせることが目的ではないので、閉め切ったり、暗くしたりはしない)
また、節度のある体罰は一定の指導効果があることもわかっていますが、以下の理由から体罰は用いるべきではないと結論付けられています。
【体罰を用いるべきではない理由】
・体罰の負の効果が大きいことが、大量調査から立証されている
・体罰以外の指導方法を凌駕する効果は期待できない
・体罰が虐待にまで容易にエスカレートする
・子どもの権利を守る
未来を担う子どもたちが、長期的に幸福になれるように、より健全な指導手段を普及させていくべきです。
盲目的に過去を正当化せずに、正しい規制がなされることを願っています。
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