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対面販売していた商品をオンライン営業に切り替える際の注意点

日経新聞に「大手生保で初めて、第一生命さんがオンライン販売に取り組む」という記事が出ていました。従来は対面販売していた商品をオンライン営業に切り替える際の注意点について考えてみたいと思います。

オンライン商談との相性を考える

下記の図では、オンライン商談に向いているかどうかについて、「お客様の特性」「商材の特性」「商談の場面」に分けて考えてみました。◎はまさにオンライン商談に向いている、○はやり方次第で工夫が必要、△は難易度が高い、といった状況です。

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①お客様の特性としては、ITリテラシーが高くて論理的なコミュニケーションを好まれる方がオンライン商談の形式にフィットしやすいことは言うまでもないでしょう。

また、②商材の特性については、横軸は訴求ポイント(感覚か機能か)、縦軸は価格帯で表現しています。機能やスペックによる検討が可能な低価格商材であれば、オンラインでも販売しやすいということになります。

さらに、③商談の場面としては、相手は絞って、コンパクトな商談時間でアプローチすることが求められます。「大人数で長時間の商談」だと画面の向こうでお客様の気持ちが離れやすくなりますし、それぞれの反応も把握しづらくなります。

もし仮に生命保険をオンラインで提案するなら?

さて、上記のような観点で考えてみると、生命保険のような商品をオンラインで提案するには、ターゲットや営業方法に工夫が必要であると言えます。試しに、「例えば、もし営業として生命保険商品をオンライン販売するとしたら」という仮定の話で考えてみましょう。

【①お客様の特性】:ターゲットとして、ITリテラシーがある程度高く、論理的に考えるタイプのお客様にアプローチするにはどうしたらいいでしょうか。例えば、自分がBlogやSNSをやっていれば、お金やリスク管理にまつわる情報発信をして、インターネット上に「自分の考え」を何かしら置いておきたいところです。Webでの情報発信は、例えばアクセス数やフォロワーの動きによって、「自分の出した情報は、こういう風に受け取られるんだな」ということがわかります。

もし、お客様のITリテラシーへ不安があったり、そこまで論理的にご判断される雰囲気でないことが予めわかっているときは、いきなりWeb画面越しのオンライン商談にチャレンジするより、まずはお電話を通したヒアリングなどで接点を作っておけると望ましいでしょう。電話の方が、慣れたコミュニケーション手段であるためです。

【②訴求ポイント】:生命保険は、大勢の人で保険料を負担しあい、そこでプールされたお金を原資として、もしもの時に、保険金や給付金の形で支払われるという商品特性です。これは、機能に訴求したものですが、お金を払い続けることを考えると、安い買い物ではありません。したがって、お金については、「毎月お支払い頂く保険料の額をどう解釈したらよいか」という観点で、お客様に対する判断基準を色々な角度から伝えられるようにしておく必要があります。対面商談であれば「勢いに押されて・・・」で契約くださるようなお客様も、画面越しであれば当然、お財布の紐は固くなります。

そうすると、対面商談に比べて、お客様のライフプランや財務状況などを詳しくヒアリングできる力が強く求められます。毎月の保険料について、それが合理的な金額であるということをご納得頂くための準備が必要です。

【③商談の場面】:生命保険の営業であれば、お一人に対して短めの時間で商談することになりますが、これはオンライン商談に適しています。いきなり商品を売り込んで即決の判断を迫るよりは、商談回数を重ねながら、お客様からライフプラン、マネープランなどをご相談頂けるような関係を作っていきたいところです。

さて、ここまで、「生命保険」という商材をテーマに考えてみました。これは一つの例ですが、これが他の商材であっても、「オンライン商談との相性」という観点から、どこをどのように工夫していくかを考えていくことが重要です。

オンライン商談への対策を立てる

従来は対面商談でやっていたものをオンライン商談で提案する場合、多くの営業がやりづらさを感じます。オンライン商談に必要な「筋力」を鍛えるやり方については、以前の記事に書きました。

今回はまた別に、3つの切り口から「対面商談からオンライン商談に置き換える際の注意点」という形で書きたいと思います。

(A)「対面だからこそできていたこと」をオンラインで実現する

熱意や感情を伝えたり、関係を築いていくときには、オンライン商談と電話を併用しましょう。画面越しですと、熱量や温度感が伝わりにくくなります。そのようなときに、オンライン商談のみに手段をこだわるよりは、電話との併用がお勧めです。

また、こちらからの説明は小分けにして、「ご質問ありませんか」以外の台詞でリアクションを確認していくための、質問の言い回しを考えておけると効果的です。

(B)「対面でもオンラインでも変わらず必要なこと」を心得つつ、オンラインで実践する


対面商談でもオンライン商談でも、事前確認を丁寧に行い、商談の進め方を準備することは重要です。お客様から確認できている情報を整理し、商談の目的やゴールを明確にした上でシミュレーションしておきましょう。

また、商談の場では、こちらの話す割合が多すぎないように注意し、会話のキャッチボールを増やすことができるよう、説明やプレゼンの時間配分に注意しましょう。説明する内容が多くなりすぎると、会話が一方向になってしまいます。

(C)「オンラインだからこそできること」を活用して、商談の質を上げる


オンラインだからこそできることとしては、画面のこちらで商談で話していることをリアルタイムに記録し、その場で認識ズレがないか確認することがやりやすくなります。近くで顔を合わせていたらPCでのキータッチもはばかられますが、画面越しの会話であれば、しっかりとしたメモを作成することも可能です。

また、お客様と一緒に画面を見ながら共同作業することもオンライン商談だと便利です。画面共有機能でドキュメントを映し出し、話しながら直接手を加えて編集したものを、商談直後にお客様へお送りすることで、商談におけるお客様の熱量が上がりやすくなります。

以上、オンライン商談への対策を立てるにあたり、皆様のお役に立てれば幸いです。

#COMEMO #NIKKEI

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「人と組織の成長を科学する」をテーマに、教育事業や組織開発で15年ほど活動しています。 最近はスタートアップの支援も。TORiX株式会社代表取締役( http://torix-corp.com/ )。コンペ8年無敗の経験をもとに、2019年『無敗営業』出版(4ヶ月で3.5万部)

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