終わりの始まり。「メルケルなきEU」へ

いよいよというか、遂に、という時が近づいています。ヘッセン州議会選挙での大敗を受けて党首引責という展開に相成りました。バイエルン州議会選挙における姉妹政党(CSU:キリスト教社会同盟)の大敗に続き、2連敗、しかも今回は自身の率いる政党であるキリスト教社会民主同盟(CDU)の敗北であるため、打撃は大きいということでしょう。経済が絶好調であるバイエルン州で敗北している以上、堅調な経済政策運営が有権者にとって加点要素にならないことは明白でした。

結局、2015年夏の無制限移民受け入れがメルケル首相の政治生命を奪ったということになりましょう。あれさえなければ恩師コールに並ぶ最長宰相(16年)というのはほぼ視野に入っていたように思います。首相にはとどまるそうですが、果たしてCDU党首ではないメルケルにそれだけの求心力があるのかは・・・厳しいと言わざるを得ません。とはいえ政治家としてのメルケルが同国政治史に名を残す人物となったことも、また確かでしょう。

ちなみに大連立政権を組むドイツ社会民主党(SPD)も歴史的な大敗。極右政党・「ドイツのための選択肢(AfD)」は前回の約3倍の得票率で大勝です。「二大政党の大敗」と「極右政党の大勝」という構図は14日のバイエルン州議会選挙と全く同じです。ちなみに緑の党が政権担当の受け皿となりそうであり、「いきなりポピュリズム」とならないところにドイツの堅実さを感じないでもありません。

いずれにせよ「メルケルなきEU」の序曲がいよいよ始まりました。ユーロ圏の歴史の大半がメルケルの首相人生と重なります。ポストメルケルは諸国(南欧、東欧、一部の西欧、ロシアなど)から恨みを買った状態でのスタートになるという難しさもあります。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37093870Z21C18A0MM8000/

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