さよなら東京本店、オンラインショップが本店になる日

こんにちは。今日もリアル(小売)とオンライン(IT)を反復横跳び、KATALOKoooの翠川です。

今回はお題投稿。

元のMinimal代表山下さんはマーケティング的に考察されていますが、私はど現場感のある投稿をしておきたいと思います。

毎年、ハロウィンが終わるとクリスマスがはじまる!大繁忙期!気づいたら年明け、という流れなのですが2020年の11月は例年と違う雰囲気に溢れていて、そのことを絡めて書いていきます。#そのお金どう使いますか より #お金どう使われますか になっている気もしますが…

建前消費の終了

9月に、「誰かのために装う時代終了のお知らせ」で、

人のために装うのではなくて、自分のために装う。自分のために装うことで毎日のクオリティを上げていく。例え、不要だとしても。そういう時代が急にキター!
「誰かのために」「人からそう見られたいから」「なんとなく」やっていた装い。その対義語は、「自分のために」「どうしても」する装い。この数ヶ月で、そんな体感をした人、多いのじゃないだろうか。自分を喜ばせることに集中できるなんて、なんていい時代なんだろう。

なんて書いていたのですが、それに続いて建前消費が本当になくなった実感がありました。

今も売り場では、自分を、家族やパートナーなど自分をよく知る自分の一部的な人を喜ばせるものは、売れています。

自粛期間に続いてクリスマスムードが始まっても、家を素敵にしたいという動きは強く、むしろ例年以上です。これは、リーマンショックの際に、不景気になってレストランへ出掛けずホームパーティがブームになり、ちょっといいお皿やカトラリー、グラスを揃える人が増えたときと似た感覚です。お友達を呼んでのクリスマスパーティ用のプチギフト需要も急増しました。

なんとなくはもういらない

そして先月、「どうしようもない小売業界における、D2C事情2020」で、

ふるいにかけて残ったもので十分楽しめる、なんとなくのものはいらないと消費者が気がついたのでしょう。

と書きました。この流れは止まるどころか勢いを増していて震えが止まりません。でもしょうがない、なんとなくにかけるお金はもうないんですよ。

オンラインで比較・吟味するのが加速度的に当たり前になり、店頭でたくさん並んでいる中から「なんとなく」「人気ありそう」と買うよりも、「機能的だから」「ずっと欲しかったから」「環境に良いから」など明確な理由を持って買うことに慣れてきたことも理由にあるでしょう。皆さん、2つ以上の理由を見つけて購入の決め手にしている感じがします。

特にコロナで、

「誰かに自分をこう見せないといけない」が機会がリモートで減り、
「東京だとこのくらいの相場感」は、集まる必要がなくなると場所代の概念が崩壊
「どうせ払うならなんとなくより知っているところ」になる

という傾向が高まりまくっています。

建前でなんとなくしてきた消費、それが全部なくなった。あるべき姿になっていくんだと思いますが、この消費がなくなると大打撃の業態にとっては梯子を外されたような感じでしょう。今まで高い家賃ペイして頑張ってきたのに…しょうがない、時代が変わろうとしてる…。

やはり事業者としては、どうしても会いたい・関わりたいリストに入れるか、どう選ばれるかが重要になってきます。これも、5月の投稿で書いてました。

東京本店の意味、オンラインショップの本店化

そして、この考察にはまだ続きがあり、この先にあるのは、
「どうせ買うなら本店で…」
みたいな心理がまったくゼロになるんじゃないかということです。

昔は、Macを買い替えるとき、せっかくだから店舗に行って買おう〜♪、などとウキウキ思ってましたが、もうこの数年は全部オンラインで買ってますし、元々そうだった小売が、コロナによって世界観の体験よりもオンライン優先になっています。

リアルはお店はオワコンじゃない、という趣旨の投稿を以前しました(「想像を超えろ!これからのお店あり方」19年6月投稿)が、オワコンじゃない、オワコンになる流行りカテゴリーのものじゃないんだそもそもリアルなお店は。と今でも思っています。

しかし…「東京本店」という位置づけだった店舗が、銀座店・新宿店・渋谷店…になり、近隣の方がお買い物する立地的な店舗名に成り下がったのを感じました。当然、「東京本店だからこそ人が集まる」は、なくなっていく。おそらく、コロナが終わる前に、東京本店不在に、私たちはもう慣れてしまう。

となると、これからどう捉えるべきなのか。それは、オンラインが本店に代わるということなのでしょう。オンラインショップは、全員が、いつでも、どこからでもアクセスできる店舗なわけですから、そこに全情報が掲載されているのであれば、消費者からすると「まずそこに行きたい!と思う」本店の要素はすでに持っていることになります。

ということは、より一層、オンラインに力を入れる必要が出てくる、ブランドは世界観をどう伝えるか、小売店は圧倒的物量の情報をどう見せていくのか、に力を入れないといけないでしょう。私たちプラットフォーマーも、UIばかりでなく、新しいUXを意識して作っていかないといけない。

オンラインショップが本店になるなんて、考えたことありました?今後は、一支店としてではなく、本店として展開していくこと必須になるでしょう。D2Cブランドでなくても、オンラインショップが本店…それに加えて、支店・卸先・催事をどう組み合わせていくのかを考えるべきだと、体感して震えています。

東京ができたように、人の集まる街はもうできないのか?

一方で、ではどうしても行きたいお店が集まって出来た東京の街のようなのはなくなってしまうのか?全てオンラインに集約するのか?というと、そういうわけではなく、例えば私にとっては、「信頼できるパン屋さんと花屋さんがある街」が価値が高いなと最近友人が最寄駅にお花屋さんを開業してくれ実感したところです。

おそらくこれは、飲食店と同様、
・配送で鮮度が落ちる
・嵩張って配送料効率が悪い
・買う頻度が高い

商材には切実な問題。他にも当てはまる商材たくさんあると思います。

今後はこういった自分にとって必要なお店が、この街に住みたい!要因になっていくのかもしれません。これは、5月に投稿した「#俺たちのニューノーマル 住環境選びと巣作りと」ともリンクしています。

なぜか、今年の記事を紹介する記事のようになってしまいましたが、要するに気配であったものが、急に現実化したということなんだと思います。毎月、感じた違和感をポッと投稿していますので、よかったら過去記事も読んでみてくださいね。

コロナの第3波、ワクチンが出来るまでいよいよ正念場というところに入ってきたと思います。上記のようなことを意識して気を引き締めていきましょう。

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