紙幣3148176

財政は破綻しないから、増税を焦るな

日本の財政は破綻しません。
「日銀が紙幣を刷る」「極端な資産課税をする」を選択肢から外しても、なお大丈夫です。
(1)まず、日本人投資家は日本国債を喜んで買います。投資家にとって、日本国債以上に信用力が高いのは米国債くらいですが、日本人投資家が米国債を買うと為替リスクを負う事になりますから。
したがって、日本政府は資金繰りに困りません。そして、いくら借金が多くても、資金繰りに困らなければ財政は破綻しません。
(2)10年待てば、少子高齢化が進展し、「好況なら猛烈な労働力不足、不況でも少しは労働力不足」という時代になります。そうなれば、「増税して景気が悪化して失業が増えたら大変だ」という心配をせずに、気楽に増税出来るようになります。そうなってから増税すれば良いので、焦って今の時点で増税する事はありません。
(3)極端な仮定ですが、頭の整理をしてみましょう。数千年後には、少子化で日本人が最後の一人になり、家計金融資産1800兆円を相続します。その人が他界すると、それが国庫に入るので、政府の借金はすべて消えます。
つまり、遺産の事も考慮すれば、世代間不公平など存在していないのです。存在するのは、遺産が相続できる子と出来ない子の「世代内不公平」なのです。
(4)仮に途中で「日本政府が破産する」と投資家たちが確信するに至り、国債が暴落したとしても、損をするのは国債を持っている投資家です。日本政府は暴落した国債を安値で購入して償却してしまえば良いのです。
その原資は外貨準備を売却すれば得られます。日本政府が破産すると皆が思う時には、猛烈なドル高になっているでしょうから。


上記から言えることは、日本の財政は破綻しない、という事です。もちろん、南海トラフ大地震などで日本経済自体が破綻してしまえば、財政も破綻するのでしょうが、それは考えても仕方のない事ですから。
というわけで、私としては「増税は10年待ってから、ゆっくりやろう」と考えています。10年間待つか否かで政府の借金が数十兆円変わるかも知れませんが、既に1100兆円の借金がある事を考えれば、数十兆円増える事による追加的なリスクは「誤差の範囲」と言えるでしょう。
秋の消費増税は今さら避けられないでしょうが、増税分は全額景気対策に使い、実質増税無しという事なら出来るはずです。
欧米や中国の景気がどうなるかわからない時に増税して、日本の景気が腰折れてしまっては元も子もありません。10年が無理だとしても、最低1年は様子を見るべだと思います。


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塚崎公義(久留米大学教授)

2005年まで、銀行員として、主に経済調査関係の仕事(景気の予想屋など)をやっていました。 現在は久留米大学商学部の教授ですが、堅苦しい理論の話より、景気や経済の話、資産運用の話など、役に立つ経済の話を中心に投稿していきます。よろしくお願いします。

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