時短で楽しみたいコト、時間をじっくり使って楽しむべきコト
世の中にコンテンツが溢れる時代となり、コンテンツ提供者によるユーザーの時間の奪い合いは加熱しています。
いつでもどこでもスマートフォンでネットワークに接続することが出来る現在、音楽もストリーミングで楽しむことが出来、動画や映画もいつでもどこでも観ることができるようになりました。またコロナ禍に入り、多くのイベントがオンラインで配信されるようになったので、イベントも場所を問わず参加可能となりました。
このように消費者側の選択肢が限りなく多い状況においては、どのようにすれば効率的により多くのことを享受出来るのか考える人も増えているのではないでしょうか。
かけた時間に対してどれくらい満足したかを示す「タイパ」、タイムパフォーマンスという言葉も使われているそうです。
いかに有効に時間を活用するかは個人にとって大事な指標となっているのです。こうした中、
「倍速で楽しみたいことは何か?」
そのような問いが日経電子版の意見募集でされていたので、今回は楽しむことにどのように時間を使うのかについて考えてみたいと思います。
倍速にできる色々なコト
・ 映画作品
"コンテンツを倍速に楽しむ"と聞いたときに一番最初に思いつくのは、動画視聴です。最近では映画などの動画の作品を早送りで視聴し、状況が変わりそうなシーンで通常速度に戻すという見方をする人もいるようです。
また、上記は2021年の調査結果ですが、20代全体ですと約半分の人が倍速視聴経験者だそうです。
・ ニュース番組
企業の広報・PRの担当の方が、ニュース番組を録画しておき倍速で見て情報を得ているという話を聞きました。各局のニュース番組を全て見るにはかなりの時間が掛かってしまいます。それを倍速で見ることにより効率的に情報のインプットが可能になります。速度を変えられる機能を活用することで効率的に世の中のトレンド、動きを掴みやすくなるのです。
・ 書籍 / オーディオブック (特に小説)
書籍の音声コンテンツ、オーディオブックも速度調整が可能なサービスがあります。
私が最近気に入っているのはAmazonのオーディオブックサービス"audible"です。普段、ビジネス書を読むことが多いこともあり、なかなか小説を読む時間を作れないことが課題でした。そのような中、ふとaudibleを試してみたら、これがまた素晴らしい体験でした。
様々な書籍コンテンツが移動中などに声優さんや俳優さんによるプロフェッショナルのナレーターによる朗読で聞けるのです。しかも手が塞がらない形で。
ちなみにオーディオブックは倍速でも聴けないことはないのですが、2倍速だと小説の世界への没入感が薄れてしまいました。色々と試した結果、「1.2倍速」が書籍を視聴するのにちょうど良い速さということに気づき、今は1.2倍速で楽しませてもらっています。
audibleで小説を聞き始めて1ヶ月ちょっとですが、6冊分の本を読破ならぬ"聴破"しました。本屋大賞や芥川賞を受賞した作品など気になっていた本を移動中などに「ながら」で楽しめるのはとてもありがたいです。
時間を生み出すというコト
コロナ禍となり家にいる時間が増えたことで家事に使う時間にもタイムパフォーマンス、「タイパ」の効率化がより求められるようになったと言います。新コロナ禍がタイパ志向を加速させたのです。
ロボット掃除機「ルンバ」のアイロボットをAmazonが買収したニュースを記憶している人も多いと思いますが、この買収は「家事時間からの解放」だとAmazonは言っています。
倍速消費が広がる中、時短でコンテンツを楽しむ動きだけでなく、「時間を生み出す」サービスもこれからどんどん広がっていくことでしょう。
時間をかけてでも楽しむべきコト
タイパの効率化が求められる中、映像コンテンツや音声コンテンツを中心に多くのサービスを時短で楽しめるようになっている一方で、時間をじっくりかけてでも楽しむべきこともあるのではないかと考えています。
「コミュニティ活動」がそのうちの1つです。なにかへの偏愛やビジョンに共感し、ビジョンの実現に向けて能動的に動くコミュニティ活動は時短を追求するコトではなく、むしろじっくりと向き合うことがコミュニティ活動の醍醐味ではないでしょうか。
自分が「これだ!」と思えるコミュニティとの関わりは自分自身の偏愛を追求することに価値があり、そこに掛ける時間の長短が重要ではないと思います。
特にオフラインでの活動はその場で生まれる空気、人とのコミュニケーション、新しい出会いに大きな価値があります。そうしたオフラインの場は、効率性を重視するのではなく、少し休憩して近くにいる人と特にテーマなく話したりするなど一見非効率だと思われる動きにこそセレンディピティが生まれたり、新たな気づきがある。そのように考えています。
タイパが追求される時代だからこそ、時間を掛けてでもじっくりと向き合うコトも大切にしていきたいと思います。
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