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敗北力|人の心を動かす失敗|PRESIDENT-SHIPS

若い頃は沢山失敗を重ねてきたものですが、後輩ができ、部下ができ、役職がついて会社の中でも年齢が上の方になってくると、失敗や敗北をする自分を受け入れられなくなってきませんか?完璧な上司になろうとしている人に、ぜひ読んでみてほしいお話です。


■人は年齢を重ねるほど失敗が怖くなる

「論語」には、孔子が一生を回顧して、その人間形成の過程を述べた有名な言葉があります。

子曰、「吾十有五而志于学。三十而立。四十而不惑。五十而知天命。六十而耳順。七十而従心所欲、不踰矩」。

■口語訳
子曰く、「私は十五歳のとき学問に志を立てた。
三十歳になって、その基礎ができて自立できるようになった。
四十歳になると、心に迷うことがなくなった。
五十歳になって、天が自分に与えた使命が自覚できた。
六十歳になると、人の言うことがなんでも素直に理解できるようになった。
七十歳になると、自分のしたいと思うことをそのままやっても、
人の道を踏みはずすことがなくなった」と。
(『論語』・旺文社)

さて、これを自分に当てはめた時、自分はそんなに秀でた人物になれるのだろうか…と一抹の不安を感じる一方で、社会人としてこうありたいとも思うわけです。

だからこそ、後輩や部下ができた時、あるいは自分に役職がついたとき、「失敗してはいけない」「敗北するような姿を決して見せてはいけない」というプレッシャーを感じてしまうのではないでしょうか。


■成功し続ける人生は楽しいのだろうか

それでは、仮に「全く失敗せず、全く敗北を感じることもなく、全ての事が成功し続ける」という人生だった場合、それは楽しく充実したものになるでしょうか?

想像してみてください。

①主人公は超絶完璧な強い人間で、何も苦労しなくても敵を一瞬で全て倒せて世界は平和になる映画。

②主人公は性格も仕事も完璧で人気者で、大好きな人と何の苦労もなく両想いになってハッピーエンドになるドラマ。

③仕事も家庭も完璧な主人公の、充実した日々を追う映画。

うわぁ・・・面白くなさそう・・・!
と思ったのは私だけではないはずです。笑

ここで、改めて「人生を充実させること」や「人間味あふれる部分」は、成功とは別の物であるということを考えることができるのではないでしょうか。


■成功から学ぶことはほとんど無い

実際に全く困難も失敗も敗北もない人生を歩み続けていたら、「新しい気づき」「臨機応変な対応」、あるいは「何があってもくじけない根性」みたいな部分は全く得られないはずです。そういった局面になったことが無い人は、学びようがないからです。

つまり、これまでの人生の中で何度「悔しい思い」や「敗北感」を味わったか。その回数の多さが、学びの多さでもあり、人間味にもなり、他者への寛容性を生み出していくのではないでしょうか。失敗や敗北感から、私たちは多くのことを学ぶことができます。

しかい大人になると「かっこ悪いから」「良い年齢の大人が失敗なんて…!」「部下にそんな姿を見せられない」と、失敗や敗北を回避したり隠したりする人生になっていませんか?

本当に、もったいないことです。


■失敗や敗北を受け入れる

2022年9月19日で私は会社設立10周年を迎えていました。10年間自分で会社を経営していると、本当に沢山の失敗や敗北をします。

ほんの一部をご紹介。

・創業時、28歳女性ということで多くの食材業者から取引を断られる。
「え?若い女の子が始めるお店?大丈夫なの?」

・創業時、ビジネスプランコンテストで金融機関の方や大学教授の方等の審査員からけちょんけちょんに言われる。
「お昼だけで1日100食なんて無理。絵に描いた餅でしょ。」

・全国放送のテレビ放映の翌日、お店周辺に100人以上のお客様が並ばれて、近隣住民の方から大クレームの嵐と警察への通報により、営業中に警察官の方に怒られる。
「この人だかりをなんとかしなさい!」
(むしろ私たちも困っています、助けてください…って感じでした(泣)。翌日から整理券配布制度が始まったきっかけでもあります)

・学生のアルバイトがお店の食材買い出しのために3万円封筒に入れて自転車でスーパーに向かったら、スーパーに到着した時には封筒を紛失していた。(泣いた。。)

・2018年6月大阪府北部地震→西日本豪雨→9月に台風21号直撃という災害の連続により、わずか3か月で借金が1000万円増える。

・やっと災害の借金返済の目途が立ったと思ったらコロナウイルス感染拡大により2020年4月に2店舗閉鎖まで追い込まれる。

・コロナ緊急融資で追加の借金が5000万円となり、これまでの融資も合わせると私の連帯保証額は1億円を突破…!(借金1億円ってやつ)

・佰食屋1/2という新しいフランチャイズモデルの構築をした後すぐにコロナ禍になったため、全ての構想が無駄になり、フランチャイズ展開は中止となる。佰食屋1/2も2021年12月に閉鎖

さあ、私の人生は失敗や敗北だらけです。

でも、だからこそ、私は大きな学びを得て、本当に強くなりました。



■失敗や敗北を人に言う

私は、これらの失敗や敗北の体験を、声を大にして多くの人に言ってきました。なんなら、2020年4月に2店舗閉鎖せざるを得なくなった時は、その前後をずっとテレビ番組「ガイアの夜明け」で密着していただき、私が泣きながら従業員に頭を下げているシーンが全国放送されたぐらいです。

「そんな恥ずかしいこと、よく出来るね…」

そう思いますか?

私は、これらを公開することは恥ずかしいことではなく、私の失敗は人に勇気を与えることだと感じています。

人の失敗や敗北を先に知れると、周囲の人は自分が直接的に失敗をしたわけでは無いのに学ぶことができます。だからこそ、周囲の人が、同じ失敗を繰り返さないための事例として、私は自分の失敗や敗北したことを伝え続けてきました。

すると、周囲の人はどう思ったと思いますか?

「失敗なんかしてかっこ悪い」
「あの人とは関わりたくない」

と思われたと思いますか?
実は、反対だったのです。

「応援しています!」
「頑張ってください!」
「私にできることはありますか?」
「感動しました!」

こういった、応援の声が想像の何十倍も届きました。その声は、私の心を大きく救ってくれました。


失敗は人の心を動かし、失敗こそが感情やモチベーションに影響するのだと私は実感しました。

漫画やドラマの主人公は、だからこそ一度敗北したり、失敗したりするのではないでしょうか。


■人は迷惑をかける生き物である

日本では子どもに「人に迷惑をかけることはしてはいけない」と教える親が多いでしょう。「何事においても周りへの配慮を欠かさないこと」が、日本人にとっては1つの美徳となっています。

しかし一方で、インドではこのように子どもに教えるのだそうです。

「あなたは人に迷惑をかけて生きているのだから、人のことも許してあげなさい」

私たちは生きていると失敗や敗北をし、多くの人に迷惑をかけることが沢山あります。それをしないように気を付けて歳を重ねるのではなく、失敗や敗北をする自分を受け入れ、人の失敗も許すという気持ちが大切なのではないでしょうか。

年齢を重ねて仕事をするうえで大切な「敗北力」で、人間らしさ・自分らしさを遺憾なく発揮していきましょう!



敗北力
|人の心を動かす失敗|
PRESIDENT-SHIPS

株式会社minitts
代表取締役 中村朱美

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