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居酒屋が廃れれば少子化が加速する

時短、いつまで続ける気なんだろう…

飲食店の時短が果たして感染防止に役に立ったかどうかは正式には検証されていないはずですよね。年末年始に飲み会が多くて感染が増えたとかいうけど、あれは季節性の要因の方がはるかに大きいと思うわけです。100年前のスペイン風邪の時も死亡者が激増したのは冬の間だけです。

その話はもう1年以上もしているので改めて書く気力もありませんが、時短要請に応じなかったGD社に対する都知事の対応に関しては不快感を禁じ得ない。客観的に見て、GD社の「弁明書」の方が筋が通っている

こんなの「見せしめ」以外の何物でもないと思います。もっといえば「私に逆らえばどういう目にあうか思い知らせてやる」ってことでしょ?いつの時代の圧政の話なのでしょう?

命令に関してはGD社は従った上で、都に対して提訴しました。

この裁判は非常に興味深い。憲法における営業の自由の問題もあるが、なぜGD社だけが狙い撃ちにされたのかという憲法の下の平等性の問題でもある。にしても、かつてこの方は「排除します」というたった一言で大失敗したくせに、また自分の意にそぐわない者を排除しようとした。本質的に何も変わっていない。

自分に逆らわない者だけを集めて、逆らう者は片っ端から排除していくって、本当に怖い思想


お酒を提供する居酒屋業態が2020年コロナ禍において大打撃を受けたことは言うまでもありません。年間通じて売上が半分になってしまったのですから。外食産業の中でも、ファストフードは被害が少なく前年比96%なので、それと比べればどれだけ辛かったかがわかるというものです。

そして、居酒屋業態の売上が下がると、少子化が加速します。

次のグラフをご覧ください。

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居酒屋の売上と童貞率(18-34歳)との間には強い負の相関があります。つまり、居酒屋が繁盛すると童貞率はさがり、居酒屋が閑散とすると童貞率が高まるわけです。

このまま居酒屋の売上が下がり続ければ、男たちはどんどん性体験から遠ざかり、現在42%の童貞率が60%を超えてしまうのではないでしょうか?童貞のままでは当然生殖行為はできません。少子化が加速してしまうというわけです。

いつも僕が発見してご紹介する「相関エンタメ(擬似相関)」のひとつです。一見、関係のなさそうなふたつの事象が相関していることから、いろいろ妄想して楽しもうって話ですよ。遊びです、統計遊び。

真面目な話をすれば、「相関があるからといってそこに因果があるわけではない」というのは当たり前で、このデータにしても「居酒屋が繁盛すれば童貞は減る」とは言えません。そんなことは言うまでもないことですが、ツイッターなどでこのグラフをあげると必ずそういう重箱隅つつき系の無粋な指摘をしてくる人がいますね。もっと人生楽しく生きられないのかね?ご苦労様です。

ただ、あながちこれ因果がまったくないとも言えないんじゃないかとも思います。居酒屋は出会いの場でもあり、デートの場でもあり、酒の力を借りて勢いをつけられる場でもある。スキー場マジックのように、お互い酔ったことで勘違いしてしまう場でもあるけど。

もうひとつデータを見せると、家計調査から34歳までの若い単身男女の外食費内における飲酒代の推移です。

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2020年、男の飲酒代が激減しているのはまさに独身男たちが居酒屋に行かなくなったから。しかし、それだけではなく、2002年から微妙に飲酒代が減ってきています。これを若者の酒離れというふうに見てはいけなくて、そもそも酒の席のデートや出会いが減れ続けた結果でもそれが婚姻率の上昇や未婚化を促進したのではないかともいえるわけです。

男女を結びつけるのは「愛」ではなく「酒」です。

『人間の大半は土曜の夜にウイスキーのボトルを空けた勢いで産まれてくんだよ』ジョン・レノン

非婚化や少子化を憂うならば、GD社を応援した方がいいんじゃないですか?

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荒川和久/独身研究家・コラムニスト
長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。