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肩書きは、上書き。

日経COMEMOキーオピニオンリーダーの田中泰延だ。

前回、よくわからず引き受けてしまったが、非常に場違いな気がする。ならば、めちゃくちゃなことを書けばクビになるだろうと、思う存分めちゃくちゃを書いた。

しかしなぜか、いまだに相も変わらず日経COMEMOキーオピニオンリーダーなのである。調子に乗って名刺まで作ってしまった。

名刺は100枚で1,000円もしたし、水曜日にゴミ出しに行った時にマンションの6階の榊原さんに渡した以外はまだ誰にも渡せていないので、あと99枚配り終わるまで日経COMEMOキーオピニオンリーダーでいなければ大変なことになる。

クビにならないよう、めちゃくちゃなことを書くのをやめ、慎重に社会の諸問題に取り組もうと思う。990円を失うのは痛い。

さて、今回も大本営が意見を募集している。

例によっていくつか質問がある。

フリーランスでもなく、1つの会社の正社員としてのみ働くのでもなく、
社外の仕事を複数持つ、つまり複数の肩書、名刺をもつような働き方は
今後スタンダードになるのでしょうか?

1つの仕事だけでなく、複数の肩書を持つ必要があると思いますか?
複数の肩書を持つことに、どんなメリット・デメリットがあると思いますか?

なるほど。おとなだから、じっくり考えてみる。

…。

…。

わからない。

わからないので、めちゃくちゃなことを書いてみようと思う。

今日は2020年最後の日だ。
世界が激動したこの1年の締めくくりにこんなことでいいのだろうか。

その疑問に答えよう。いい。
いいかどうかは私が決めることだ。

一口に肩書きといっても、組織から与えられる役割の場合と、自分で勝手に名乗る肩書きとがある。会社員時代はもちろん、会社から与えられた肩書きが印刷されていたわけだが、退職してから3年間は自分でこうしていた。

失業

この名刺を私に渡された人も多いと思う。

「なんだこの名刺、ふざけてんのか」

「いや、本気です。本気でプリントゴッコで作りました」

「やっぱりゴッコじゃねえか」

という会話も一度や二度ではない。0度でした。

本当に迷惑だっただろうと思う。今年に入って法人を作ったので、こうなった。

ひろのぶと

まあ、これもわけがわからないと言えばわからない。社長と名乗れば社長なのか。いい加減なものだ。

それにしても、私も長くサラリーマンをやってきたので、むやみやたらと名刺をもらった。そのなかには、わけのわからなさで勝てないものも多数だった。

パブりシスト

なんだかわからない。なにかをパブリシているのだろうが、さっぱりわからない。

アソシエイト

アソシエているのはわかるが、いったい、何に対してなのか。「どういう意味ですか?」と訊かれて会話が始まるきっかけにはなると思うが。

シニア

年長者なのか。歳とってからゴルフの大会に出る人なのか。ジュニアスタッフというのはいるのか。

こういうのはまだいい。最近はほんとうにわけがわからない。

グロース

説明されてもたぶんわけがわからないので、目を合わせないと思う。

インテグ

何かのダジャレかもしれないが、ついていけない。

エバン

伝道師か。お前はザビエルかと言いたい。

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アクティ

ツイッターで25万2千ツイートもしている俺に向かって言えるのか?お前のネットは本当にアクティブか?人見てモノを言えよ。

プロ

ほんとにこういうのをもらったのである。みんな何かで食べているのだ。みんな何かのプロだろう。こういう肩書きを名乗る人の仕事の流儀がわからない。

まぁ、こういった近頃流行りの横文字のわけのわからなさはそれなりに新しいのだが、組織内での地位を表す肩書きにも、わけのわからないものがたくさんあった。

補佐

こういう人にあえて「課長」と呼びかけるとものすごく嬉しそうな顔をして「いやいや、課長ではございませんので」という茶番が始まる。サラリーマン時代の数少ない楽しみだった。

代理

もう、なんの権限があるのかわからない。課長は風邪でも引いて今日は寝ているのか。それどころか課長補佐すら病欠なのか。

心得

心得ているのか。誰に?何を?会社的には心得た分の給料は心得てくれているのか。いや、ほんとにこの「心得」という肩書きの名刺は何十枚もあった。日本社会の闇が凝縮されたようなサムシングである。

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これも多い。さりげなすぎる。偉い人はわかりやすく「社長」と書いておいて欲しい。

昔、六本木のバーでたまたまカウンターの隣に座った人と名刺交換したのだが、
肩書きのところにまったく気がつかないでポケットにしまってしまった。

それから酒や音楽の話を数時間してから

「それで、ええと、お名前なんでしたっけ、白石さん?でしたっけ」

「あ、はい、白石です」

「そうそう、さっき名刺もらいましたよね、白石さんは、
ベネフィット・ワンという会社でどんなお仕事されてるんですか」

「すみません、社長やらせてもらってます」

こういう場合もあるので、肩書きは見ておいた方がいいと思う。おとなだから。

ソフバン

見ておいたほうがいいとはいえ、見るのがむずかしいほど長いものもある。これはうそではない。ある会社の人の名刺なのである。社内ではきっとこれを早口言葉にしたコンテストが開かれているに違いない。

しかしここまで書いて、そもそも「肩書き」とはなんであるか、気になった。

ものの本によると、名刺が縦書きの時、姓名の右上に示すから、
名前を体とみなして右肩に書いてあるから肩書きと呼ぶらしい。

肩書き

ということは、横書きの場合は、肩書きではなくて「上書き」なのである。

上書き

そう、人は自らを「上書き」できるのである。

なりたい自分でもいい、何かを成し遂げてそう呼ばれたいでもいい、
どんどん新しくしていけばいい。
自分の姓名につけるタイトルなんて、どんどん上書きしていけばいいのだ。

しこうてい

自分はこんな人間になりたいと宣言することで、
なんとかその責任をまっとうしようと願う、
それは人間の崇高な生き方のひとつかもしれない。

Say,may be such a person.
「私はこんな人、かもしれません」と言えばいい。

You may 夢を語ればいい talk about your dreams.

高度な英語の韻を踏んだライムとフロウを繰り出して2020年を締め括れる自分を誇りに思う。

偉人

みなさま良いお年を。

2021年もキーオピニオンリーダーといえば田中泰延、
オニオンリングといえばモスバーガー、これだけはよろしくお願いいたします。

俺は

#日経COMEMO #肩書を複数持つ必要ありますか

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田中泰延

おかねがいります。たいへんたすかります。

一富士、二鷹、サンダース軍曹
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ひろのぶと株式会社 代表 1969年大阪生まれ 大阪在住 初の著書『読みたいことを、書けばいい。』(ダイヤモンド社)発売中