
転ばぬ先の「インシュアテック」
こんにちは。最先端の技術が既存の産業の創造的破壊を生み出す「Disruption」。紀元前から続く保険事業においても例外ではありません。日本経済新聞電子版が週一回お届けする最新回では、そうした保険事業をアップデートするテクノロジーの現在地を取り上げました。
保険とITの融合を融合させる取り組みは「インシュアテック」と呼ばれています。特に威力を発揮しているのが、自然災害への対応です。近年、台風や大雨などが多いなと感じることはありませんか?実際に大規模な自然災害は増えており、被害が膨らむことに伴って保険各社の保険金支払いも2年連続で1兆円規模になる見通しです。これまでの統計的に「30年に一度」とされていたはずの高水準の支払いが続いています。
「インシュアテック」では、こうした災害に伴う被害状況をAIや衛星写真によって分析し、予測する取り組みが進んでいます。例えば壊れやすい「屋根」を見分けたり、河川の氾濫などによる浸水リスクを予測したりすることで、自然災害によって起こりうる被害を事前に把握する予防・減災の対応につなげる狙いです。保険はよく「転ばぬ先の杖」などと呼ばれることも多いですが、「転ばぬ先のインシュアテック」という時代が到来しているのです。
(デジタル編成ユニットプランナー 二瓶悟)
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先端技術から生まれた新サービスが既存の枠組みを壊すディスラプション(創造的破壊)。連載企画「Disruption 断絶の先に」は、従来の延長線上ではなく、不連続な変化が起きつつある現場を取材し、経済や社会、暮らしに及ぼす影響を探ります。