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「忙しい」と言わないためのテクニック論

前回の記事では「忙しい人 ≠ 仕事ができる人」という勘違いをテーマに書いた。

そこで今日は、具体的に僕が学生向けに教えている「忙しい」を減らすためテクニックや訓練について紹介しようと思う。

■タスクが多い ≠ 忙しい

忙しさとはタスク量だけで決まるものではなく、実際はその人自身の処理能力や視野の問題が大きく関係している、と独自の計算式を用いて説明したのが前回の記事。

「処理能力」「視野」、今日はその2つの視点で話を進める。
ますは処理能力について。

■タスクと処理時間を紐づける

「忙しいのは処理能力の問題」と書いてしまうと「処理能力が低いこと」を問題視しているように見えるが、本質はそこではない。
誰にでも得手不得手はある。僕も数式なんて使って説明する割には数学がすこぶる苦手で、Excel系の作業はとても時間がかかる。

処理能力の問題、の「問題」とは、自分の処理能力を管理していないことだ。

あるタスクを背負った時、自分ならそのタスクを終えるのに何分程度かかるか?

こんなことは一見当たり前の視点だが、タスク管理だけでなく、そのタスクと処理時間をセットで管理している人はどのくらいいるだろうか?
さらには、その処理時間をスケジュールと紐づけている人はどれだけいるだろうか?

タスク - 処理時間 -スケジュール
この3つの紐づけこそ「忙しい」をなくすための重要なポイントだ

■タスクを「予定」に変換する

例えば今週はA、B、Cという3つのタスクがあるとする。これを洗い出すのがタスクの可視化。ビジネスパーソンなら当然、学生でも管理している人は多い。

しかし一律にタスクと言っても、それにかかる時間はまったく違う。45分で終わるタスクもあれば、3時間かかるタスクもある。
なので、タスクはすべて作業時間とセットで洗い出すこと。そしてそれを「予定」に変換してスケジュールにプロットする(書き込む)ことが大切だ。

タスクを予定に変換することで「やることリスト」にただタスクが溜まって精神的に追い詰められる状態、つまり「忙しい」と言ってしまう状況を防ぐことができる。
タスクが予定に変われば、「タスクがある」という不安な状態を「予定がある(だけ)」という普通の状況に変換することができる。

ちなみにタスクとは仕事のことだけでない。休む時間も寝る時間も何もしない時間も「忙しい」を回避するための重要なタスクなので、できれば可視化した上で予定として変換することをオススメしたい。

■全体像を把握して、正しい優先順位を

次の視点は「忙しい」を回避するための「視野」の話。タスク単体ではなく、そのタスクが含まれるプロジェクトの全体像が見えているか、という視点だ。

僕は学生にこんな練習問題を出すことがある。

あなたならどう答えるだろうか?

この課題について

・どこでやるか?
・誰が参加するか?
・何をあげるか?

どれが重要かを図る問題だと勘違いする人が多いがそうではない。ポイントは「今は月曜日の午前10時」という点だ。

まずは先ほど説明したようにタスクに処理時間を紐づけてみる。

これだけ見るとCのプレゼント選びがもっとも時間がかかるため、最初に取り組むべきにも思えるが、それだとまだタスク単体の視点になっていて視野が狭い

僕が考える正解はこれだ。

まずはじめに取り組むべきはBの「出欠をとる」だ。理由は2つある。

①メールを送れば、タスクが出席候補者に移るから
②人数がわからないと探すお店の規模が変わるから


特に大事なのは①だ。「忙しい」と言いがちな人の多くはタスクを抱えすぎる傾向がある。責任感が強いのかもしれないが、タスクを抱え込みはトラブルにもなりやすい。自分が身軽になるためにも、人に分散できるタスクの優先順位はあげるべきだ。

また、②の理由はタスクとタスクの連動性を意識する、とも言い換えられる。1つ1つのタスクを単体で捉えるのではなく「AのタスクはBのタスクに影響を受けるのであれば、まず片付けるべきはBのタスク」という具合にタスクの全体を見渡す視点が必要だ。

■忙しい時間より、充実した時間を

以上が僕がβutterflyやインターンに通う学生たちに教えている「忙しい」を回避するための具体的なテクニックだ。社会人には当たり前のないようも多かったかもしれない。

細かいことを言えばまだまだたくさんあるので、興味がある学生はちょうど今募集している電通ワカモンインターンに応募してもらいたい。

インターンでもやることはたくさんあるが、忙しい時間ではなく、充実した時間を過ごせるはずだ。


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