ペンス演説に関する元米海軍副次官の具体論

 米紙WSJの電子版に「中国との冷戦に勝利する方法」という寄稿文が載っています。10月4日のペンス米副大統領によるハドソン研究所での対中政策演説に具体的な解説を加えたもので、筆者のセス・クロプシー氏はハドソン研の上級研究員。レーガン政権とジョージ・W・ブッシュ政権で海軍副次官を務めた経験を持つ人物です。

「米海軍は規模を拡大する必要がある。トランプ政権は、運用可能な艦船の数を現在の約280隻から355隻に増やすとしている。しかし、ホワイトハウスの提案する今後30年をかけてではなく、2030年までにそれを実現しなければならない」とか、「インド・太平洋海域の前線に新たな空母打撃群を投入できるだろう」といった具合です。

「人工知能(AI)分野での米国の優位性は、今後のサイバー戦争と実際の戦争の両面で米国の能力を強化することになる」とも述べており、先端技術分野での米中の角逐もむべなるかな。地域的な安全保障のパートナーの筆頭に挙げるのは台湾で、次いで日本。「台湾と日本の海域を監視する合同指令室に台湾と日本を組み入れることも可能だろう」との表現も目に留まります。オーストラリア、インドの名前も挙げられていますが、そこに韓国の名は見当たりません。

そして、寄稿文はこう結ばれます。米国の安全を守り、同盟国を支援して、米国の経済的利益を保護し、米国が世界から手を引いていないことを示すためには、トランプ政権は使える道具を全て使うべきだ。この戦略的競争の目標は、ロナルド・レーガン元大統領がかつて語った言葉に集約される。「われわれが勝ち、彼らが負けるのだ」――。

トランプ政権の対中政策の枠組みを知る上でも、ペンス演説と並び参考になるように思われます。

https://jp.wsj.com/articles/SB10832262964510654670704584555263192830076

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