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ハイブリッド型ワークショップの3つのコツ

2020年に新型コロナウィルスの感染拡大がはじまってからは、一気にオンラインでの活動が盛んになりました。一方で、美術展や音楽イベントなど、オンラインには大体不可能な媒体もたくさんあります。今年に入ってからオンライン、オンサイトをハイブリッドで提供していくコンテンツが多く増えてきました。

ビジネスパーソンのなかにも、オンサイトでワークショップをしたり、会議をしたりすることが増えてきている人も多いのではないでしょうか。

ぼくは、ワークショップデザインやファシリテーションを専門としています。最近増えてきた事例として、オンサイトとオンラインのハイブリッド型のワークショップがあります。今日はそのコツについて簡単にまとめておこうと思います。

1. マイク+スピーカーの設定

まずは、オンサイト側の機材や接続環境です。Wi-Fiの速度が安定していることはもちろんなのですが、最も重要なのはマイク+スピーカーです。

オンラインワークショップにおけるコミュニケーションのベースを声に置く場合、基礎的なこととして、マイクを介して声を広い、スピーカーを介して声を聞く、という特性があります。

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ハイブリッドになる場合、オンサイト側に参加している人の声を、オンライン側にいる人に届けることが必要です。卓上マイクの性能や、どうすれば最も声が拾いやすくなるかを確認しておく必要があります。

オーディオミキサーと複数本のマイクなど機材が充実していれば、ひとりずつマイクを用意し、それらをまとめてPCに入力するという方法もあります。

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また、オンライン参加者の声を、オンサイト会場に届ける必要もあります。性能がよく、音が全体に響くスピーカーを用いるのが有効でしょう。いずれにせよ、ハウリングしないように事前にチェックすることが求められます。

2. ZOOM活用

ぼくが経験した事例では、オンサイト側の参加者の方にもZOOMにログインしてもらい、ZOOM上で顔を表示してもらっていました。そうすることで、ほとんどこれまでのオンラインワークショップと変わらない感覚が創出できます。

これで本当にオンサイトの可能性を引き出せているのか、という疑問はありますが、ハイブリッド型にはこれが現時点では最適化と思っています。

3. 発話のターンテイキング

3つめのコツは、ワークショップにおける発話の「ターンテイキング」を明確にすることです。

ターンテイキングとは、話し手と聞き手が交互に入れ替わりながら発話をすることです。いわば普通の会話なのですが、これが意外と重要なのです。

たとえば、オンサイト側で会話がもりあがったとします。「AってまるでBみたいなもので…」「あーわかります!BってXXXですし…」「そうそう!」「あははは!」と。

このような会話の盛り上がりは日常的に経験があるかと思います。発話の終わりが明確でなく、人々が声を重ね合う。これこそオンサイトコミュニケーションの醍醐味なのです。

しかし、ハイブリッド型の場合、このようなコミュニケーションでは、オンライン側が置いてけぼりになってしまいます。なぜなら、誰が発言しているかがわからないし、その会話のノリのなかにオンラインから参加することが難しいからです。

ハイブリッド型では、発話のターンテイキングを明確にし、発言の始まりと終わりがわかるようにする工夫が必要です。たとえば、以下のようにルール設計をしておくとうまくいきました。

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このルールに乗っとると、発言が以下のようなムード・手順で展開していきます。

1. 挙手をする。
2. 「臼井が話します。」(名乗ることで発話のスタートを明確にする)
3. 「ぼくはAについてBだと思いました。以上です」(発言の終わりを明確にする)
4. 次に発話したい人が手を上げる。(オンラインでも、オンサイトでも)
5. 「では、山田さんお願いします」手を挙げている人を指名する。
6. 次の人が発話を始める。

このような発話作法を守ってもらいながら対話を進めると、オンライン側にいる人も、誰が何を話しているかがわかりやすくなり、オンライン側からも遠慮なく参加ができるようになります。

このほかにも、挙手+指名制のメリットは、以下のnoteでも紹介しています。

ハイブリッドワークショップのやり方については、今後も探求していく必要がでてくるだろうと思います。このnoteを読んだ方で「こんなアイデアもあるよ」という方には、ぜひ、さまざまなナレッジを教えていただけたらうれしいです。

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